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2008. 3/ 1 更新2009.7/8 |
仁義なき戦い 広島死闘篇(第2作) その1 1973年。監督 深作欣二。脚本 笠原和夫。出演 菅原文太、北大路欣也、千葉真一。 |
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◆男は何のために生きる? | 「なにが博奕打ちなら! 村岡が持っちょるホテルは何を売っちょるの、淫売じゃないの。 いうなりゃ、あれらはおめこの汁で飯食うとるんで。 のう、おやじさん、神農(てきや)じゃろうと博奕打ちじゃろうとよ、 わしらうまいもん喰ってよ、 マブいスケ抱くために生まれてきとるんじゃないの」 |
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昭和30年の広島の村岡組と大友組の抗争の中で殺人マシンと化したひとりの若者 山中正治(北大路欣也)の生き様を描いた作品です。 「仁義なき戦い」シーズの主役である広能幸三(菅原文太)は、本作では狂言回し的役割となっています。 従って、「仁義なき戦い」の集団抗争劇としての魅力はないのですが、戦争で取り残された、ひとりの若者を描いたドラマとして、異なる魅力があり、映画的ドラマトゥルギーに満ちた作品となっています。 時代は、「仁義なき戦い」第1作から遡り、昭和30年、舞台は、広島。 やくざの村岡組とテキヤの大友組が対立していた中、食い詰めた若者が村岡組に入り、時代や組織に振り回され、最後は自殺する過程を描いてゆきます。 セリフは、大友組の組長(加藤嘉)に向かって、その極道息子である大友勝利(千葉真一)が村岡組との喧嘩を開始するにあたり吐くものです。親子の縁を切って、まっしぐらです。 大友勝利は、本作の中で破天荒な行動で迫力があります。千葉真一のベストの演技では、ないでしょうか。 また、山中と愛しあい、所帯をもつことになる、村岡組長(名和宏)の姪で特攻隊員の未亡人靖子を演じた梶芽衣子も素晴らしい。この時期、彼女は「女囚さそり」シリーズにも主演し、絶頂期でした。 「仁義なき戦い」シリーズでは、女ができた男は、死ぬ運命にあります。靖子と愛しあう山中もしかり・・・ このセリフでは、女性を人間として捉えていません。 この世界で生き抜くためには、また純粋に生きようとした人間は、死ぬ運命にあります。 そして、権謀術策を持った男が生き残ってゆきます。 というと、権謀術策を肯定しているように聞こえるかもしれませんが、それをもつ人間たちと戦うには、こちら側もそれに対する策をもって、あたらなければなりません。 権謀術策に負けずに、純粋に生きることができるとよいのですが・・・ かなり過激なセリフですので、批判もあろうかと、思いますが、一面真理でもあります。 ここにきて、以前の仁侠映画の主張する「仁義」は完全に否定されました。 最後にもうひとつ名セリフを。 キャバレーで、広能と警察に追われた山中が会うシーンでキャバレーの女が山中の腰の拳銃を見つけ、 「これなんね」 「これか。わしのゼロ戦や」 山中は、人を殺した後、あの予科練の歌である「若鷲の歌」(♪ 若い血潮の予科練の七つボタンは、桜に錨・・・♪)を口笛で吹きます。そのかすれた音色が、心に残る作品です。 |
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