
侠客列伝
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予告編 |
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東映やくざ絶頂期のオールスターキャスト作品です。
賭博行為禁止条例が発令されようとしている明治のころ、関西、関東の親分衆が日本大同会を結成しようする。その結成式の世話人に小田原の酒勾一家の半次郎(菅原謙二)が指命されるのだが、その小田原を狙っている山形一家の策略にはまり、半次郎は殺されてしまう。このあたり、式の無作法を理由に責めたことがきっかけになるので、まさに忠臣蔵の松の廊下のやくざ版です。その結果、酒勾一家の代貸の大倉伊之助(高倉健)らは、一年間の謹慎を云い渡されてしまう。
そのころ、人斬り浅(鶴田浩二)の異名を持つ浅次郎が現れ、山形一家に草鞋をぬぐ。山形は、浅次郎に一宿一飯の恩義で伊之助を殺すよう命じる。浅次郎が伊之助と対決する際のセリフが紹介したセリフです。浅次郎には、かつて愛し、芸者になっている加代(藤順子)、伊之助には、許婚の浪江(宮園純子)がいる。しかし、浅次郎は、山形の撃った銃弾から伊之助をかばおうとして絶命してしまいます。
そして、破門されていた若山富三郎を含めて、伊之助らは山形一家に殴りこみにゆく、といったストーリーです。
さて、今回は、あまりに名調子のセリフでしたので、紹介させていただきました。
そこから、教訓はひきだせませんでした。ごめんなさい。
代わりに、セリフから導かれる教訓ではないのですが、企業組織とやくざ組織について、組織の面からみてみます。
近年、両者は、似たような組織体制をとっています。
企業は、社長をトップに管理職、一般職といったピラミッド体制です。一方やくざ組織も総長、理事長や会長をトップに幹事長、専任理事、そして一般団員といった、企業と同じような呼称を用いた体制です。
しかし、企業が協力して事業を遂行するのに対し、やくざは、集団を道具とし、各々個別の目標を達成しようとする個人の集まりに過ぎない、といった性格があります。
個人の目標は、シノギに代表される、収益を得ることですが、その目標が企業のように組織的に設定されることもなく、各々が各々の手段で遂行します。
そういう意味では、単純な組織かもしれませんが、個々人が時代や世の中の動きをよく見ていないと取り残されてしまいます。従って、個人に対して、時代に即応し、俊敏な行動が要求されます。
これからの企業においても、一般社員がそういった心持で業務を遂行できる企業が伸びてゆくのではないでしょうか。。
本作、マキノ監督の男と女のからみに名調子の演出が見られます。
そして、藤純子も引退前で本当のオールスターです。
そんな雰囲気にどっぷり浸れる作品です。 |