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2010.4/5 緋牡丹博徒 鉄火場列伝
1969年。監督 山下耕作。脚本 鈴木則文、笠原和夫。出演 藤純子、鶴田浩二、待田京介。
 
嘘の夢、綺麗な夢 【嘘の夢】
仏壇の三次
 「仏壇の三次は、てめぇのケジメをを通して生きたばっかりに、
  罪もねえ可愛い子を不幸にしてしまった男、
  とわかってもらうのも嬉しいんです。
  嘘っぱちな夢は、もってもらいたくねぇ」


【綺麗な夢】
緋牡丹お竜
 「こんなあたしの気持ちを、あなたは・・・」
江口
 「おいらは、あんたに信じてもらえるような男では、なかったんだす」
緋牡丹お竜
 「いいえ、いまでも、あたしはあなたを信じています。信じたいんです。
  あたしのような、やくざな、かたわな女でも綺麗な夢を信じたいんです」
 
緋牡丹博徒 鉄火場列伝
緋牡丹博徒
鉄火場列伝

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緋牡丹博徒 鉄火場列伝
プレビュー

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前者の「嘘っぱちの夢」は、単身殴り込みに行き、傷を負った仏壇の三次(鶴田浩二)が死の間際にお竜(藤純子)に語るセリフです。

後者の「綺麗な夢」は、やくざから堅気になった江口幸平(待田京介)が殺された弟分(名和広)の墓前で、再びやくざ世界に戻り、殴り込みに行こうとするシーンでお竜が心情を吐露するセリフです。

瀕死の子分を抱えて、見知らぬ土地で困っているお竜を救う、元はやくざだった江口幸平に、この土地ではひとりの女としていてほしい、と云われ、それを通そうとするお竜。

かつて自分が渡世の義理で殺めた男の仏壇を抱え、その娘を連れ、その娘の母親を探し歩く仏壇の三次。

そんなふたりに、当然のことながら、悪玉の親分衆がからむ、お話です。

プランドゥ・アシストは、夢をエネルギーとして情熱を仕事に注ぐこと、後者のセリフのシーン
「こうなりたい!」という願望と
「こうしたい!」という情熱を埋め込むことを提唱しています。

持たないほうがよい、といった「嘘っぱちの夢」でもいい、信じるだけの「綺麗な夢」でもいい、どんな夢でもいい、それに向って、邁進することが大切です。
しかし、そのときに必要なのが、夢に向うプラン(計画)です。
そのうえで、ドゥ(実行)です。
夢にフォ−カスし、プランニングすること。まず大切なことです。


本作は、第1作に引き続き、山下耕作監督の登板です。
そして、脚本がお竜の産みの親でもある鈴木則文、さらに「
仁義なき戦い」シリーズの名脚本家の笠原和夫と最高のトリオで作られました作品です。

しかし、監督いわく、シリーズ中もっとも出来の悪い作品だといいます。
何故か・・・。
彼の説明では、お竜が心を寄せるのは、堅気の江口でなく、たとえば、流れ者の仏壇の三次でなくてはいけない。
そんな理由から、お竜のせつなさが伝わってこなかった。
つかの間の平穏な堅気の世界に身を浸らせてしまい、それに夢を抱かせたことが失敗だった。彼女の生きる世界は、あくまでもやくざ世界でなくてはいけなかった、と語っています。

筆者は、そうでなくて、違う世界に生きる、といったシチュエーションで、違う世界から、届かない他の世界へ想いを寄せたことで、さらに、せつなさを増幅させたと思っています。いかがでしょうか。

また、本作は予想外の配役とその性格付けが楽しめる作品でもあります。

いつも悪役の名和広が悪に染まりかけ、誤りに気づく親分、こちらも悪女役の多い三原葉子が江口の善人の妹、そして以前の作品でお竜の矢野組の子分だった待田京介が堅気になったやくざの親分、珍しいことに里見浩太郎(当時は"朗"でなく"郎")が若いやくざ役で登場・・・・

東映やくざ映画は、通常1時間半くらいの上映時間がほとんどなのですが、本作は1時間50分と長尺です。また、人情の機微を要所要所に配し、格調ある絵づくり(様式美)で他の作品とは一線を画す名作です。

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