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2011.8/5 | 緋牡丹博徒 仁義通します (第8作) 1971年。監督 斉藤武市。脚本 高田宏治。出演 藤純子、菅原文太、松方弘樹、待田京介、片岡千恵蔵。 |
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◆思うようにならない人生・・・ | 「お竜はん、思うようには、ならんもんやなぁ」 | |||
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日活の斉藤武市監督による「緋牡丹博徒」シリーズ第8作です。 この作品が撮られた時期が、ちょうど藤純子が婚約発表した頃だと思います。 そのため、本作品がシリーズ最終作となり、このあと急遽、引退記念映画「関東緋桜一家」が撮られます。 冒頭のセリフは、ラストシーンの殴りこみが終わり、雪の降る中、屋敷の外で待っていた近松親分(片岡知恵蔵)が傷を負ったお竜(藤純子)に云うセリフです。 自分の思うようには、なかなか人生でも仕事でもいってくれません。 だからといって、諸事万端いい加減に対処していたのでは、さらに悪い方向に進んでしまいます。 何事にも誠意をもって一生懸命に立ち向かう姿勢が大事です。 そのうえであれば、セリフのような感嘆の言葉を漏らすことが許されるのではないでしょうか・・・。 大阪堂万一家のお神楽のおたか(清川虹子)、本シリーズの準レギュラーでしたが、彼女の死んだ後の代貸である松川(待田京介)と岩木(松方弘樹)の跡目相続にまつわる事件を描きます。 おたかは、息をひきとる前に跡目は岩木、堂万の縄張りは松川に、と言残しますが、その遺言に不本意な松川は、敵対する伝法一家と通じ、横車を押します。 岩木が爆死し、子分の長門裕之も単身殴りこみし討ち死にし、お竜、岩木の戦友である北橋(菅原文太)、道後の熊虎親分(若山富三郎)の三人が伝法一家に殴りこみます。 松川は、お竜に刺されて命を落としますが、彼がお竜に向けたドスは峰打ちでした。そんなところに冒頭のセリフのように、自分では判っているが、どうにもできない、やるせない生き様を待田京介が演じました。 本作では、主人公以外のやくざみんな死んでしまい、やくざがいなくなってしまいました。はてさて、今後堂万の縄張りはどうなるのでしょうか? ところで、お竜と小袖のシーンにこんな会話もありました。 岩木は、恋人である小袖(光川環世)が堂万の先代親分が妾に産ませた子と判り、別れることを決意します。その後、おたかが小袖のために残した貯金をお竜が彼女に渡す際のやりとりです。 「ひとには、人生にひとつやふたつ過ちばあるもんたい。 とりわけ、おなごっちゅうもんは、業の深かもんだけん」 これは、当時のおたかが妾とその娘である小袖に一家の敷居をまたがせることをしなかったのですが、小袖のために貯金をしていたことに対して語っています。 その時々では、そう云うしかなかった、そうするしかなかった、ということもあります。時が経ち、そんなことが心残りになってしまう。 また、たまたま雨宿りでお竜と北橋(菅原文太)が一緒になり、雨宿りの居酒屋での会話です。 北橋 「(岩木に)堅気にならなきゃ、つきあわねぇって云われてね。 それは、カニに向かって、縦に歩けちゅうもんでさぁ」 お竜 「そういや、あたしもなんかも、カニのくちですばぃ」 北橋 「あっしには、そうは思えねぇな。あんたはカニなんかじゃねぇ。 間違って横に歩いているだけだ」 「緋牡丹博徒」シリーズでは、こんな会話があちこちに登場します。 女のやくざを主人公にもってきたことによって、とくに任侠の世界を際立たせたシリーズだったかもしれません。 |
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