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2009. 11/1 解散式
1967年。監督 深作欣二。脚本 松本功・山本英明。出演 鶴田浩二、丹波哲郎、渡辺美佐子、渡辺文雄。
 
◆方便としての任侠道 「俺たちが叩き込まれた任侠道は、
 親分衆が兵隊をこき使うためのお仕着せだったんだ。
 そんなもんは、早く脱いじまわないと、馬鹿みるぜ」
 
解散式
解散式
昔気質のやくざから、現代的なやくざに変わろうとする義兄弟の島村(渡辺文雄)が昔のままのやくざ沢木(鶴田浩二)に語るセリフです。

永年、刑務所に入っていた沢木がようやく出所したときには、すでに、任侠道に生きる、といった世の中ではなくなっていました。そんな時代遅れのやくざが石油コンビナートの利権争いに巻き込まれ、命を落とすまでを描いた作品です。

深作欣二は、それまで描かれてきた義理、人情に対して、それらの言葉の真実の姿を映画で語り始めました。
それは、「
仁義なき戦い」につながる作品群の端緒となっています。

組織や人を動かすためには、大義名分が必要です。
やくざの世界の大義名分は、義理、人情、任侠道ですが、いまの時代の会社組織では、社会のため、会社のため、人のため、たまに、地球のため、なんていうのもあるでしょうか。

しかし、いずれにしろ大義名分ですから、実際は、会社が利益を上げ、自分たちの生活を守るという一義的な目標が優先であるはずです。世の中そんなものです。
例えば、環境を守るために、といっった場合、それを実現する最もよい手段は、人間が存在しないことです。
では、自分が死ねるか、ということになります。

一方、それらの大儀名分で、動けるひと、生きてゆけるひとは幸せかもしれません。
大儀名分の裏を呼んでいると、馬鹿らしくなる。
それは、人間生きている限り、延々と続いているテーマかもしれません。
真実で生きたいものです。

「てめぇの子供におもちゃを買ってやって、礼を言われるなんて、
 やくざは、因果な家業なんだなぁ」


刑務所にはいるときに妊娠していた三枝(渡辺美佐子)が産んで、
ひとりで育ててきた息子に再会し、おもちゃを買ってやり、その三枝に礼を言われたときの沢木のセリフです。

ここでは、家族と縁を切って生きるのが、やくざであることを示しています。
以降、実録シリーズを経て、「
極道の妻たち」のころになると、切っても切れない家族の絆が描かれます。

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