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2008. 11/30 侠骨一代 その1
 1967年。監督 マキノ雅弘。脚本 村尾昭。出演 高倉健、藤純子、志村喬、大木実。
 
◆恥を捨てて生きる 「生きるためには、命がけの恥ずかしさってことを知らなきゃな」
 
侠骨一代
侠骨一代
喰いっぱぐれて、乞食の一団に救われた高倉健に対し、ひとりの乞食が生き方を説くセリフです。

港湾人夫をまとめる坂本組の伊吹竜馬(高倉健)が受注した水道工事の仕事を妨害する宍戸組、岩佐組に殴りこみをかける、というのがあらすじです。

藤純子が仲居兼娼婦と高倉健の母親の二役を演じているというのも珍しい作品です。
竜馬は、小さな頃別れ、亡くなった自分の母親たか(藤純子)に似ている娼婦おふじ(藤純子)とめぐりあい、魅かれあいます。
しかし、おふじは、あばずれの自分は彼の母親には適わないと思い、工事の輸送に必要なトラックを焼かれてしまい窮地に陥ったところ、自分を満州に身売りした金を残して、去ってゆきます。

二人は、彼の母親に似ていることから結びつき、またそのために別れるという運命の皮肉。
結果、彼女が去っていった絶望感もあり、彼は単身殴りこんでゆくことになります。

最近の若者は、豊かな、何不足ない境遇の中で育ってきました。
しかし、長い人生の過程においては、思うようにゆかないこと、失敗すること、挫折すること等々が、当然次から次へと現れてきます。
しかし、それらに対して、経験なく育ってきたので、免疫がない状態といえるのでは、ないでしょうか。
挫折といっても、せいぜい学校の受験で不合格になる程度。

そういった境遇に向かい合ったときに、まずは、冒頭のセリフにあるように
命がけでものごとに対処してみる勇気が必要です。そこで道が開けるかもしれません。
また、開けないかもしれません。でも、そんな人生でも頑張って生き通すしかないのです。
他人のせいにしても仕方ありません。今年6月に起きた秋葉原の殺傷事件の犯人の若者にも云えます。

しかし、実際はそういった若者を作りあげてきた家庭、社会にも問題があります。
社会を変えないと、同じような事件が続出することは推測の範疇です。

いろいろと考えさせられるマキノ雅弘監督の隠れた名作(管理人は、そう思っています。)です。
そして、名セリフの数々が散りばめられています。

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