戦後最大の賭場
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予告編
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本作は、山下耕作監督の「博奕打ち 総長賭博」に次ぐ我慢劇の傑作ともいえる正統派任侠映画です。
組織のため、個を殺し、義理と人情の狭間に生きる。
それはやくざ特有のことでなく、人間全般に云えることです。
昭和37年、全国の任侠団体が集結し、「大日本同志会」を結成しようとしていた。
そのとき関西地区代表の神戸流山組組長が急死し、後任に流山二代目の本庄(高倉健)と、関西丸和会会長の岩佐(安部徹)のいずれかを選出することになる。
五木組組長の五木政治(鶴田浩二)は、本庄と義兄弟の仲であるが、自分の親である岩佐との間に入り、苦しむ。しかし、岩佐の理事への卑劣なほどの執着と同志会の実体に怒り、反逆の刃を向ける。
本セリフは、五木が、匕首を懐に殴り込みに向かうにあたり、妻である早苗(小山明子)に離縁を云い渡すのですが、早苗がそれに応えるセリフです。
同じような内容を宮尾登美子の小説「東福門院 和子の涙」でも見受けられましたので、紹介します。
「考えてみれば、女子の道とは、しみじみ悲しいものでござりますなあ。
生家の両親と過ごした歳月よりも、輿入れ先の身内の人たちと暮らす方がはるかに長いのが
ふつうでござります。
とくに武家の女子は、婚礼の日を境に里方のものとは再び相まみえることなく
生涯を終えてしまうもの。
云いかえれば、女子の一生とは、わが子以外は血の繋がらぬ他人との義理ある中で過ごす月日に
ござります」
管理人の娘も他家へ嫁し、家を出てゆきました。
現代は昔と違うので、本人は、どこまで意識しているのかわかりませんが、
親としては、冒頭のセリフ等の語る生き方を覚悟しています。
人生の約1/3が実家の両親と、そして残り2/3は他人の中で生きてゆくことになります。
女は殆どそういうい生き方をするわけです。つくづく大変だと思います。
いずれにしろ、各々の生きる世界で頑張ってゆくのが人間の道です。 |