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2011. 6/ 5 シルクハットの大親分 ちょび髭の熊
1970年。監督 鈴木則文。脚本 高田宏治。出演 若山富三郎、伊吹吾郎、橘ますみ、藤純子。
 
男は仕事に命を賭ける 男が命を賭けるのは、仕事ではなかと・・・
 新吾さん、女は恋に命ば賭けとるものよ。
 こぎゃん渡世で女ば捨てたわたしでも
 梓さんの気持ちは痛いほどわかりますばい。
 新吾さん、あんた、おなご一人幸せにできんで、ほんなこつ男・・・
 
シルクハットの大親分 ちょび髭の熊
シルクハットの大親分
ちょび髭の熊
自動車技術者である新吾(伊吹吾郎自身が、初めて日本に輸入した自動車を壊された怒りでその恋人の梓(橘ますみ)の前で日本刀を手に敵討ちに行こうとするときに緋牡丹のお竜(藤純子)が彼を諭すセリフです。

緋牡丹博徒」シリーズからスピンオフして作られた「シルクハットの大親分」シリーズの第2作です。「緋牡丹博徒」シリーズで脇役であった四国道後の熊虎親分(若山富三郎)を主役に据えたコメディタッチの作品です。全2作品が製作されました。

天皇陛下に献上する自動車の運搬と警備役を仰せつかった熊虎親分が様々な妨害をする悪に立ち向かってゆくといった内容です。

そこで冒頭のセリフとなります。「
緋牡丹博徒」シリーズでも語られる内容が、ここでも繰り返し語られます。
恋に生きるのが女、そしてそれを捨てたお竜という図式です。そこに、お竜さんのヤクザ渡世に身を委ねたが故の、堅気の女の生き方に対する未練も垣間見られます。

また、ここでは、男の生き方をも示唆しています。仕事に生きるのが男だと。男も若いうちは、どうしても女性や趣味といった、いろいろなことに心が揺れ動かされてしまいますが、年を重ね、身の回りのいろいろなことがそぎ落とされて最後に残るのは、仕事です。どんな気持ちで仕事に向ってきたか。それが男の生き様でもあります。若いうちから、そうなることを念頭に仕事には真摯に向き合ってください。

本作品では、緋牡丹のお竜さんが要所要所に登場し、画面を引き締めると同時に作品の風格も持ち上げてしまいます。「
緋牡丹博徒」のテーマとともにお竜さんが登場するシーンは、カタルシスさえも生みだしています。
彼女の存在というのは、東映やくざ映画の中で大きかったことを再確認してしまいます。このシーンを見られるだけで満足です。

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