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2009. 5/15 日本やくざ伝 総長への道
 1971年。監督 マキノ雅弘。脚本 高田宏治。出演 高倉健、鶴田浩二、若山富三郎、野川由美子。
 
◆汚い渡世でも
    道を外さない
「不動の、おらあ、こんな汚ねえ渡世に何んの未練もねえんだ。
 俺のことは、気にしなくていいんだぜ」

「おやじさん、どうか道だけは間違えねえでおくんなせえよ」
 
日本やくざ伝 総長への道
日本やくざ伝
総長への道
どぶ辰(遠藤辰夫)一家の代貸 河合巳之吉(鶴田浩二)と高崎前田一家の代貸の不動竜太郎(高倉健)が、橋のうえで顔をあわせた折に、巳之吉は、云います。

「おめえさんとは、嫌なことは起こしたくねえ」

ところが渡世の義理から、竜太郎はどぶどぶ辰一家へ殴りこみに行きます。しかし、そこで待っていたのは、巳之吉。渡世の義理から、ふたりは斬り合うことになります。珍しい、高倉健と鶴田浩二の一騎打ちです。

ふたりの果し合い中、ドスを交えている後ろから、竜太郎は斬りかかられてしまいます。
その後に瀕死の状態の巳之吉がこときれる前に語るセリフです。
先のセリフは竜太郎に、後のセリフはどぶ辰に向かったものです。鶴田浩二らしいセリフまわしが絶妙です。

竜太郎は、もろ肌脱いで、背の不動明王の刺青をあらわに立ち向かってゆきます。
そこに兄弟分の若山富三郎が登場する、というラストシーンです。

高倉健と鶴田浩二の男同士の信頼関係、高倉健と若山富三郎、野川由美子をめぐる三角関係、盛りだくさんのマキノ雅弘の世界が展開します。
しかし、任侠映画も末期の時期であり、シリーズ化が計画されていたものの、この一作で終わってしまいました。

人の生きる道、正しい道を生きてゆかなければならない。
当たり前のことを特殊な世界を借りて語るのが、やくざ映画です。

こんなセリフもあります。
野川由美子が高倉健に向かって云うセリフですが、まさにマキノ雅弘の世界です。

「女ってものはねぇ、思いつめて、好きよって、
 それが通らなくなると、そのひとが憎くなるものよ。
 竜太郎さん、あんたが憎い、悔しい・・・
 憎めないじゃないの・・・」


本作の後、任侠の名花 藤純子の引退も続き、任侠映画は終焉を迎え、代わって実録映画の時代へと移ってゆきます。

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