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木枯し紋次郎と歩く!背を陽に向けたビジネス道
2015. 3/ 5 川木枯しの音に消えた
第1期 12話 舞台:日光裏街道玉村 演出:出目昌伸 共演:十朱幸代、荒木一郎
  「おめえさんのことは、思い出しもしねえが、忘れもしやせんぜ
 

 

木枯し紋次郎(中村敦夫

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足尾の神戸における出入りで、左の頬に傷を負った紋次郎は、そこに住む浪人親子に介抱されます。
その折に6歳の娘志乃(十朱幸代)から楊枝を鳴らすことを教えられます。
ここで左頬の傷、楊枝を吹き鳴らすようになった理由が明かされます。
一年後父親が亡くなり、19歳になった志乃は玉村宿で飯盛女として生きています。
彼女を探しにきた紋次郎と再会し、再び別れてゆく。別れ際のセリフです。

    玉村八幡宮
        玉村宿にある八幡宮

いやあ、難しい命題を投げかけられてしまいました。
忘れないことと、思い出されるということと、同義としか理解できない。
このセリフは、どういうことなのか、難しい。

ところで、企業の経営戦略を策定する際には、目的、それも具体的な目標を設定することが必要です。
それは、その企業の理念なり、経営方針なりに則っていなければなりません。しかし、それらを持たない企業も多いようです。
筆者は、ホームページの制作を依頼された場合でも、経営理念、経営方針の策定を薦め、事項してもらいます。とくに企業のホームページの場合ですが、必ず会社の紹介のページを用意し、経営理念、経営方針、社長挨拶、それから企業の所在地などの情報を掲載します。前者の理念、方針をもたいない企業には、これを契機に必ず作ってもらいます。食べてゆくため、収入を得るため、という方針も確かにあるのですが、法人として第三者を雇い、事業を進めているわけですので、彼らの人生も背負っています。理念とまでゆかなくとも、方針を立てて、それに向かってゆく姿勢を創らなくてはいけません。そして、その方針を社員で有言実行です。人間、口に出して言葉にすることで現実のものとなります。よく会社の朝礼で社訓を唱和するところがありますが、それはそういった理由でもあります。

ようやくここで話が繋がります。忘れないためには、文言にして、繰り返し口に出さなくてはいけません。目標は、常に忘れず、常に思い出すこと。それに向かって進むこと。やはり忘れないことは、思い出されるということですね。
紋次郎のセリフは、人間は矛盾した存在でもあるというポーズとして捉えておきましょう。

本作品の監督は、1960〜70年代の東宝青春映画を支えてきた出目昌伸です。東宝の内藤洋子主演の「年ごろ」、酒井和歌子主演の「俺たちの荒野」といった女優の青春映画を多く撮っていました。それと紋次郎は結び付かないのですが、時代劇として唯一、草刈正雄の「沖田総司」がありました。この作品も彼らしい繊細な優れたものとなっています。

志乃との会話の中に、こんなセリフも出てきます。紋次郎の基本的な姿勢です。

「人は人、あっしはあっし、と思って生きておりやすんで・・・」

この生き方は、セリフ以外に原作の本文でも繰り返されます。

"一度は、志乃の達者でしあわせそうな姿を、はっきりと確かめたのである。
 その後のことまで、構ってはいられらなかった。
 志乃の一生を見守っているわけには、いかないのだ。
 人にはそれぞれ、自分の生き方というものがある。
 それにまかせるほかは、ないのであった。"

吹き鳴らす楊枝からは、紋次郎の木枯しの音、志乃の笛の音。
それぞれの人生を歩んで行く、そして歩むしかない・・・
   

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