足利氏 祈りのみち その1 - わたらせからの風 足利近辺の山々
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足利氏 祈りのみち その1 地図へ

奥の院街道マップ
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源姓足利義兼は、いまも市街に残り、市民に「大日様」と呼ばれ親しまれている、ばん阿寺を建立し居住地としました。
その奥の院として、足利の北に樺崎寺を建立します。そして、晩年をその地で送ることになります。

その義兼が歩いたであろう、ばん阿寺から樺崎寺までの「奥の院街道」の北郷地区を辿り、樺崎寺(法界寺)跡である樺崎八幡宮まで歩きます。

「奥の院街道」は、ばん阿寺と樺崎寺を結ぶ足利氏の参道だった道に北郷観光協会が21基のモニュメントを立て、繋いでいます。
なお、樺崎寺跡は、足利学校などと共に世界遺産への登録を目指しています。

この歩きのきっかけは、足利市内で無料で配布されている「栃木県足利市 謎と不思議 北郷名所絵図」です。
このリーフレットの中には、「歴史のまちを望むみち」、「忠綱街道」、「まんさくの咲くみち」、「奥の院街道」と4種類のウォーキングコースが紹介されています。
地図は、かなりおおざっぱなので、これを参考に歩くのは、難しいと思います。

ただし、今回歩いた「奥の院街道」は、ペットボトルの廃材で造ったという外見は黒い鉄製の柱のようなモニュメントがポイントごとに立てられており、歩きやすいと思います。
モニュメントを指で叩くと軽い響き、確かに樹脂製です。(取材日:2009.10/12 月)

足利市街から、国道293号を足利女子高前の交差点を右折し、
市民活動センター(元保健所)を左折し、国道から離れ、
北上したところにある足利斎場をスタート地点にします。

クルマは、斎場の広い駐車場を使わせていただくのがよいでしょう。


千歳橋

国道293号が切通しを通り抜け、
助戸新山福富通り(南のトンネル通り方面からの通り)と合流する千歳橋の交差点に石灯篭や庚申塔が立っています。

斎場にクルマを置いた場合、
斎場の裏山沿いに流れる新袋川沿いの遊歩道を東に少し歩きます。


  秋の日の 光を集めし 道標べ

千歳橋の石灯篭、庚申塔群
遊歩道を公園内へ

名草川が合流

助戸新山公園

助戸新山公園

交差点の北側の山麓を川沿いに遊歩道ができています。
このあたりは、土手に桜が植えられており、
足利の桜の名所にもなっています。





名草川の合流を右手に見て、すぐ眼の前に公園が見えてきます。









若干の遊具とトイレ、ベンチなどがありますが、
山の北側に位置し、公園の北側は新袋川が流れており開けているのですが、暗い雰囲気です。

浅間金比羅神社

公園の裏手の山に向かって道が刻まれており、辿ってみます。







ちょっと登ると、神社が現れます。浅間金比羅神社です。
ここが「仏坂」と呼ばれ、坂のちょうどピークです。
昔は、この峠で北と南の交通があったのでしょうが、
いまは周辺も開発されて、丘の上といったところです。




神社の背後に石碑があり、さらに、その後ろに広場があり、
ベンチもあります。ちょっと展望もあり、助戸東山が見えます。
ちょうど国道293号が、この山脈を突っ切ったかたちです。







神社の傍に冒頭に記した「奥の院街道」のモニュメント。

(1)浅間金比羅神社と皮稲荷
   浅間金比羅信仰と
   疫病を鎮めた皮稲荷の霊験。

神社へ登る

浅間金比羅神社

神社裏の広場

浅間金比羅神社モニュメント
尻無山

尻無山

公園の背後の山は、尻無山(標高63m)です。
斎場の背後の山です。
頂を目指してみますが、ヤブの中。あきらめました。
最近は、山があると、頂を目指してしまうようです(笑)

遊歩道を先へ

公園に戻り、遊歩道を先(西)に進みます。
公園を出たところにモニュメント。

(2)百万遍念仏の数珠繰り
   念仏唱和で長大な数珠を繰り回し祈願。

百万遍念仏モニュメント
水路の合流

尻無橋

尻無橋モニュメント

尻無橋

北から水路の合流があり、その先に小さな尻無橋がかかっています。
この先、同じように、人と自転車しか渡れない、小さな橋がいろいろと現れて、なかなか面白い。













新袋川を尻無橋で渡ったところにモニュメント。

(3)尻無橋の河童
   土橋だった尻無橋の下には河童が住んでいた?!


橋を渡ると、
いま歩いてきた尻無山のもっこりとした山容が見えます。

名草川の土手を歩く

その先を流れる、小さな流れの名草川を新山橋で渡り、
土手を北上します。

ところどころに説明板のついていないモニュメントも立っていますので、それを目印に進みます。

(4)浮島天神
   江川町の天神橋や浮島橋の由来と
   なった天神さま。



田畑の中を通る小さな川に、小さな石組の橋がかかっていたり、
風情のある土手道です。

浮島天神

小さな石組の橋
蔵王権現への石段

蔵王権現

スタートの尻無山

蔵王権現モニュメント

蔵王権現

右手の山裾に石段がついています。蔵王権現です。
ここまで50分くらいでしょうか。


















石段を登った境内から、スタート地点の尻無山が望めます。
結構、遠くに見えます。







(5)蔵王権現と子育地蔵
 桜まつりの御嶽神社と60年に一度開帳されるお地蔵さま。

生目神社

さらに土手を数分歩いてゆき、左にカーブする場所にモニュメント。

(6)生目神社のご利益
 八つ目図絵馬で眼病治癒に効験。
 8月13日は夜祭り。





神社は、ゆるいカーブを右に進み、左手の保育園の裏。
まず岩場の上に神社がたっています。なんか、いい感じの神社です。






その裏手が生目神社です。






社殿の横にたくさんの目が描かれた絵馬が掲げられています。

  数多(あまた)の目
     ひとの祈りが
       現代(いま)を視る



足利の神社には、いろいろ特色ある絵柄の絵馬が奉納されています。
ほかに、手の絵だったり、女性の腰巻の絵だったり・・・。
ときどき市内で展覧会も開かれていますので、
機会があれば見てみると、面白いです。

生目神社モニュメント

岩場上の神社

生目神社

生目神社の絵馬
生目神社の森

黒塀の家並み

すすきの原

人家の家並みの中を歩く

さきほどの分岐まで戻り、北へ向い、歩きます。
道沿いから、生目神社の建つ山が見えます。
ただし、神社は、森の中で、よくわかりません。




水路がある黒塀の建つ道を進みます。
ちょっと、どこかの観光地のよう・・・。

  土塀に 風吹き抜ける 秋の午後





季節柄、すすきの穂が揺れています。

持宝院

生目神社から、10分ほどで右手にモニュメント。

(7)持宝院の手伝い地蔵
 子供たちを危機から救い、
 手助けしてくれたお地蔵さま。






そこから、寺への参道が続きます。









広い境内に建つ本堂、その右手の墓地の前に地蔵堂。
参拝者のための休憩所、飲料の自動販売機もあります。



         子育て地蔵

持宝院モニュメント

持宝院へ

持宝院本堂

地蔵堂
関東ふれあいのみちモニュメント

関東ふれあいのみちのモミュメント

歩いているコースは、関東ふれあいのみちの「マンサクの咲くみち」でもあり、ところどころに石灯篭のモミュメントや足利駅までの距離、樺崎八幡宮までの距離を記した道標もあります。

田んぼを背景に

田んぼを背景とし、道の左にモニュメントが・・・

(8)地震、雷、火事、大神
   地震、雷、火事除けと
   親父のような鹿島の神さま。

地震のモニュメント
T字路へ

光得寺モニュメント

T字路に

持宝院から、10分ほどで道は、T字路に。







その塀に隠れた角に光得寺のモニュメント。

(9)光得寺の大日如来
   樺崎寺由来の運慶作とされる大日如来と五輪塔を安置。


光得寺へ向う前に、T字路を右折し、菅田稲荷へ行きます。

菅田稲荷

山裾の林の前に石段が見え、その右にモニュメント。










(10)火伏せの菅田稲荷
   足利義兼の創建。
   出世、養蚕、子の成長、火伏せの通力。








石段を登ってゆくと、右手に「出世杉」という大木が。
杉は、大木になると、いろいろと名前が付けられる。











風情ある山門をくぐり、本殿へ。
狐さんが4匹も守っています。



  昏き森 祈りの力 火を伏せる












覗いた本殿の彫刻の色彩が鮮やかです。









本殿の左横に、蚕影稲荷神社といった名前の神社も。
初めて見る神社名です。

菅田稲荷の上り口

菅田稲荷モニュメント









光得寺

光得寺

T字路まで戻り、真っ直ぐ進むと、
幼稚園があり、その西に参道があります。
山門の前に案内板が立っています。

開山は足利義兼、開基は足利義氏。
寺に安置されている大日如来は、樺崎寺縁のもので、明治時代のこの寺に移されたとのこと。
残念ながら拝観することはできません。

この如来は、運慶作と伝えられ、先般、これと対になる同じ運慶作の大日如来がアメリカで競売にかけられ、真如苑が買い落としたというニュースがあり、上野の国立博物館で展示されたこともありました。

 >> 足利祈りのみち その2へ続く。


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