小丸山(小袈裟) - わたらせからの風 足尾近辺の山々
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小丸山(小袈裟) 地図へ

足尾の袈裟丸山は、奥袈裟、後袈裟、袈裟丸、小丸山と並んだ山域です。
サイトに掲載するために写真を撮る都合もあり、ひさびさに出かけてみました。天気予報は、晴れのち曇り。OK、出発です。

しかし、賽の河原あたりで霧が流れ、展望を得られそうもありません。
ということで、小丸山までの俳句の吟行、スケッチ山行に変更です。標高1676m。(取材日:2009.7/20 月)

国道122号線を北上し、沢入の袈裟丸山登山口の交差点を左折し、小中西山林道に入ります。
塔の沢への道を右に分け、さらにを進みます。

しばらくして折場口の駐車場です。ツツジ咲く季節は、このあたりは林道まで駐車するクルマでいっぱいになりますが、夏のこの時期、3台です。ということで、あずまやの西側の木陰部分にクルマを置き、スタートです。


折場登山口

林道の南側にあずまやと10台ほどの駐車地、
そして北側が登山口です。

登山口の傍らには、「関東ふれあいの道」の案内板と
袈裟丸山の案内板が立っています。


     関東ふれあいの道 寝釈迦の道マップ
      
>>画像をクリックすると拡大表示します。

折場登山口

袈裟丸山登山マップ
>>画像をクリックすると拡大表示します。
健脚コース、一般コース分岐

歩きにくい丸太の階段

登山道

登山口からは、しばらくは木立の中の丸太の階段が続きます。
10分ほど登ると、
「左 健脚コース、右 一般コース」の分岐があります。





しかし、この登山道も時を経たことにより、
地面から丸太が浮いてしまい、
障害物のようになってしまっています。
登山者もその脇を歩いているようすです。

弓の手尾根

登山口から、木立の道を30分ほど登ると、
眼前に大きな岩が現れます。
そこまでゆくと、弓の手尾根の南西面の視界が開けます。


斜面に拡がる壮大な笹原、
幾重にも沢を連ねる餅ヶ瀬川源流、
笹原を縦横に横切るけもの道(鹿)。

さらに、川のせせらぎが笹原に響き渡り、
涼しい風も吹き渡る、爽快な風景です。
これを見るだけで、この山行は十分です。


そして、俳句を・・・と思ったら、
ペンを持参していませんでした。
そこで、携帯電話のICレコーダ機能を使い、録音です。

 
「餅ヶ瀬の 瀬音が渡る 鹿の道」

弓の手尾根

餅ヶ瀬川源流

弓の手尾根からの絶景

弓の手尾根からの絶景
笹原の尾根を辿る

尾根を登る

笹原を左に見ながら、気持ちよい道で高度を稼いでゆきます。
夏は、これからという時期ですが、
笹原の上を赤とんぼ(アキアカネ)が自由に飛び回っています。

 「赤とんぼ 灰色の空に 紅をひく」

 「弓の手の 尾根吹き抜ける涼風に もう秋?」

笹の林床の道へ

笹原の尾根から、林の中の道へ入ってゆきます。
しかし、笹の林床で明るい道です。

笹の林床
ベンチ

道標「折場登山口1.2km、賽の河原0.5km」

木立の先に岩場

ベンチ

20分ほどでベンチのある休憩地となります。







道標も立っています。
「折場登山口1.2km、賽の河原0.5km」
ベンチの先の右手に大きな岩場を見つけました。

つつじ平

ほどなく、2段の展望櫓の建つ、つつじ平に到着です。







当然、空は灰色。展望は得られないのですが、櫓に上ってみます。
階段でなく、梯子状に丸太が組まれているだけですので、登りにくい。
きっと、殆どの人は、登らないだろうと思いつつ・・・
やはり、何も見えません。




傍らの案内板には、袈裟丸山の名前の由来が記されています。

 「袈裟丸山(1878m)の名称も、弘法大師にちなんだものと
  いわれています。
  中国から戻った弘法大師が高野山を開こうとしたところ、
  赤城山の山神は仏の地となることを嫌い、
  一谷を隠して九百九十九谷しか現さなかったそうです。
  大師は、残り一谷を探して、
  現在の袈裟丸山まで来たのですが、
  ここにもなく落胆し、袈裟を丸めて、
  この谷に置いて下りたため、
  袈裟丸の名前がついたということです。」

つつじ平の展望櫓

櫓から展望

積み石が現れる
賽の河原

仏頭の赤とんぼ

賽の河原のスケッチ
STAEDTLER製Pigment Linerを使用。

賽の河原

さらに歩を進めると、石積みが現れ始めます。賽の河原です。
無数に点在する石積み・・・

案内板には、
 
「袈裟丸山中腹のこの場所は、木が生えておらず、
  大小の石ばかりが転がっているので、
  賽の河原と呼ばれています。
  その昔、弘法大師が夜この地を通ると赤鬼青鬼に
  責められながら、子供達が石を積み上げているのをみて、
  三夜読経して済度したといわれています。
  いまでも子供の新仏を出した人が、ここで石を積むと、
  その子供に会えると伝えられています。」


筆者が訪れるときは、いつも霧が流れています。
今回も・・・

賽の河原の中央に、両手で玉(仏舎利?)を携えた、
50cmほどの小さな立像の石仏が積み石に囲まれて立っています。

ここでも赤とんぼが縦横無尽に飛び交っています。


細かい描画をしたかったので、
STAEDTLER製Pigment Linerを使用して、
スケッチしてみました。

 
「山霧に 賽の積み石 色を消す」

 「一服の 紫煙を消しゆく 夏の霧」

 「袈裟丸の 影を落とさず 夏の雲」

道標

ところどころ現れる積み石を見ながら、先に進みます。







10分ほどのところに道標が現れます。
「小丸山1.2km、賽の河原0.5km」。

ところどころに積み石

道標「小丸山1.2km、賽の河原0.5km」
雨量観測塔

落葉松の林

一蹴姿を見せた小丸山

雨量観測塔

さらに数分歩いた左側に鉄塔が建っています。
雨量観測塔です。










このあたりは、落葉松の美しい林が広がっています。









眼の前に小丸山が雲の切れ間から、たまに姿を見せます。

小丸山山頂

あっという間に、といっても30分ほどかかっていますが、
小高い丘のような小丸山の山頂です。






鮮やかな茶色の道標と傾いた山頂標識が立っています。












ときおり、青空が顔を覗かせますが、ほんの一瞬でした。
ということで、展望なし。

小丸山山頂

傾いた小丸山山名標識

一瞬の青空
弓の手尾根を下る

弓の手尾根から、スケッチ
三菱製DERMATOGRAH使用。

下りの弓の手尾根

上り下りで山道は、違った表情を見せます。
下りの弓の手の尾根も気分爽快です。






そして、大岩のところで昼食とスケッチです。

ここは、見るのにはすばらしい景色なのですが、
スケッチするには難しい景色です。なんて言い訳をしつつ・・・

今回も展望が得られない袈裟丸山でした。
いつかまた、青空のもと歩いてみたいと思っています。

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