日光裏街道 - わたらせからの風 近隣の山々
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日光裏街道 大胡〜上神梅 地図

各地から日光へ通じる道は、日光街道、日光例幣使街道、壬生通り等、数多く存在します。
日光例幣使街道は、以前この冬のロングウォークでも歩きました。
今回歩く日光裏街道は、大胡道とも呼ばれ、日光例幣使街道の玉村宿から足尾銅山街道の深沢宿を結びます。
あくまで平地を進む日光例幣使街道から分かれ、赤城山の南麓を東進し、渡良瀬渓谷沿いに上り、最後に足尾の山を越えて、日光に入ります。

今回、交通の便が悪い玉村宿〜大胡宿間は省略し、大胡宿から、深沢宿の南 上神梅までを歩きます。
このコースは、途中鉄道・バスの駅などのエスケープルートもなく、ラストが山越えです。
おそらくクルマの交通量も多くないでしょう。これらの不安要素を抱えています。そうそうコンビニも途中に一軒のみです。途中で何らかの原因で歩けなくなったしまったら、立ち往生です。

移動プランは、クルマで自宅からわたらせ渓谷鉄道の上神梅駅へ、同鉄道で大間々駅まで電車移動、大間々駅から南にある上毛電鉄の赤城駅まで歩き、赤城駅から大胡駅まで、再び電車で移動し、スタート地点の大胡駅へ向かうというものです。
距離 15.1km、標高差 87m、所要時間 4時間(取材日:2015. 1/10 土)

自宅の足利からわたらせ渓谷鉄道の上神梅駅に向かいます。早朝6時半くらいの出発で、まだ夜あけやらぬ状態です。
7:29上神梅駅発の1両編成の電車に整理券を取って乗り込みます。休日ですが、中学生がたくさん乗車していました。部活でもあるのでしょうか。

下車した大間々駅の隣りのコンビニでおにぎり、コーヒー等を買いこみます。事前に調べたところ、今回、歩くコース上にコンビニが皆無といってよい状態です。前橋市役所宮城支所前のデイリーヤマザキがただ一軒のみ。そういえば、昨年の飛駒もなかったですか・・・

その後、大通りを歩いて上毛電鉄の赤城駅に向かいます。以前、銅街道で歩いたときにも立ち寄っていますが、そのときは駅の売店があり、赤城山の地酒などの販売していたのですが、なくなってしまっていました。淋しいですね。

8:15赤城駅発の電車に乗り込みます。すると電車から自転車を転がし降りてくる高校生がいます。この電車は、¥280で自転車も乗車させることもできるのです。客にとっては、ありがたいことですね。
陽もでてきて車内の日向は、心地よい暖かさです。そうこうしているうちに大胡駅に到着です。

今回もナビとしてNexus7持参です。あらかじめ使用する地図を自宅でダウンロードしてサスペンドしておき、スタート地点でログ記録をオンします。ちなみに大胡駅でWimaxは、予想通り圏外でした。

マップ 日光裏街道


大胡駅(大胡宿)

暖かな車内から寒風吹きすさぶ大胡駅に下ります。
駅のロータリー北側には風車のある小公園もあります。





ここは、田中麗奈主演の映画「暗いところで待ち合わせ」のロケ地です。駅の北側に彼女の家(セット?)がありました。

上毛電鉄 大胡駅

駅前の小公園

大胡の街並み

八坂神社

社殿内の神輿

八坂神社

大胡宿の家並みの中を北に向かって歩き出します。
県道40号です。

朝も既に9時近い時刻ですが、人気がありません。



6分ぐらいで現代的なコンクリートの社殿の八坂神社に突き当たります。








正面がガラス張りで中を覗くと、新しい神輿がありました。
夏は、これが担がれるのでしょう。
ああ、夏が恋しい。と思うと、余計寒さが身にしみます。

大胡城址

八坂神社前を右折し、そこそこ大きな荒砥川を渡ります。






街並みが途切れ、河川敷の北に赤城山が見えています。
山頂は、雲に隠れています。








川の上流へ向かって左の小高い丘が大胡城址です。
ここからでは、ただの丘にしか見えません。

荒砥川

赤城山遠望

大胡城址

向町

石仏、道標

道標

向町の道標

上道は、向町で二手に分かれます。ここは左に進みます。
ここからは、しばらく県道333号を歩きます。





すぐ近くの公民館の前に赤い前掛けをかけた坐像の石仏、
その隣に道標があります。








道標には、「右 桐生大間々 左 日光」と記されています。
ようやく旧街道を歩く雰囲気がでてきました。
この道標は、このあたりを支配していた大前田栄五郎の建立と伝えられます。ちなみに木枯し紋次郎も小説の中で大前田栄五郎の子分を殺め、命を狙われていました。

句碑井(くひせん)

右手から東屋のある小さな丘が迫り、
石段が上の東屋に続いています。
当然ながら、上ってみます。




石柱が道の左右に立ち、赤城俳句会「句碑井」と記されています。









山の斜面の園地には、さまざまな形状の句碑が散在しています。

句碑井へ上る

句碑井 入口

句碑群

河原浜への上り

知久弥平石碑

石仏

自動販売機の後ろに

双体道祖神

火の見櫓

庚申塔群

中央の庚申塔

双体道祖神、庚申塔

大胡宿から河原浜に向かい、道は緩やかに上ってゆきます。
これがなかなかきつい。






「句碑井」から5分くらい歩くと、
右手に大きな石碑と石仏が見えてきます。
知久弥助翁碑です。







石仏は蓮の台座に座っています。この人がどんな人だったのかはサイトを調べても不明でした。







ここで道がY字に分かれるのですが、
その中央部分の人家の店先の自動販売機の並ぶ後ろに双体道祖神があります。
自然石の中央に男神と女神の並ぶ形状で、よい感じですが、経年劣化で男神が酒器を持っていること以外、顔もよくわかりませんでした。














その民家の後方、北に火の見櫓があり、
その下に庚申塔が多く立ち並んでいます。








中央の土盛の上に立つ庚申塔が最も立派で2mくらい高さがあるでしょうか。その周りにも多くの庚申塔が並んでいます。中には大黒天もあります。

ここで小休止ですが、風が強く、あまりのんびりできませんでした。実行日を誤ったでしょうか、ちょっと後悔!

兜石

庚申塔から15分くらい歩くと、
能満寺川という小川が現れ、橋を渡った左下の土手に、
四方を紙垂で覆われた、直径50cmほどの石があります。




中央が大きくくぼんだ形状で、「兜石」と呼ばれ、
源義家が戦勝を祈願し、兜を土中に埋め、その上に石を置いたそうです。

能満寺川

兜石

   

雲に隠れた赤城山

榛名山、浅間山

北の展望

やがて人家も途切れ、冬枯れの田畑が開けた道となり、北側の展望が開けてきました。

赤城山は、いまだ雲を被っています。



その左の榛名山は、すっきりと全容が見えています。
その横が浅間山ですが、こちらも雲の中。
   
五輪塔

道は、また北に向かって緩やかに上ります。
10分くらいで道の右に石碑が見えます。





その下に五輪塔。前橋市指定文化財です。

五輪塔

   

鼻毛石

前橋市宮城支所

馬頭観音

前橋市展望

馬頭観音

鼻毛石で、道は北から東へ向かいます。
このあたりは人家があります。






宮城小学校、前橋市宮城支所の前を通過します。








五輪塔から15分。木の下に馬頭観音。









南にため池があり、展望が開け、前橋の市街が見えてきました。
   
道標

さらに17分。
道の隅に高さ数10cmほどの道標が・・・
「東 馬場」のみ判読できました。
これから向かうのは、確かに馬場。
道標
   

馬場交差点

大きな馬頭観音

新山古墳

馬頭観音

馬場の交差点を過ぎた北側の民家の前に
台座のある自然石の馬頭観音が建っています。
これは立派で、人間の背丈ほどあるでしょうか。
今回は馬頭観音のみちですね。
飼っていた農耕馬が死んだ際に建てたのでしょうか。
といっても田畑が多いようにもみえませんが・・・。














すぐ隣りは、日本庭園のような植え込みのある新山古墳。
   
粕川

今日渡る中では大きい粕川を越えて、
T字路に突き当たり、左折し、室沢へ向かい北上します。
上りです。




民家の軒先に、またもや小さな自然石の馬頭観音。

粕川

馬頭観音

   

全徳寺前の交差点

門前の庚申塔群

道祖神

変わった形状の庚申塔

全徳寺(室沢宿)

数分で全徳寺前の交差点に突き当たります。






信号を渡ったところが全徳寺で、
参道の両側の石柱の周りに庚申塔が散在します。








道祖神の文字碑、変わった形状の庚申塔も。

全徳寺の本堂は、朱のトタン屋根。
寺というよりも神社のようです。
   

八雲神社

寺の境内から道へ降りて、北へ歩くと八雲神社。
石鳥居の先が広場になっています。





社殿は小さく、その石段で風除けができそうなので、そこで小休止。

八雲神社

社殿

   

青空に向かって上り

雲が晴れてきた赤城山

青空に向かい

全徳寺から道は東に向かいますが、緩やかに上りです。

青空に向かってゆく感じで、ちょっと爽快。




北に見える赤城山の山頂を覆っていた雲も晴れてきたようです。
   
赤城神社

板橋に向かい、桐生市に入ると、赤城神社へ到着です。
八雲神社から20分ほど歩いたでしょうか。

石鳥居がふたつあり、
最初の鳥居には、「赤城大明神」、次の鳥居は「天神宮」。
どうなっているの?











社殿の西側に人家、周りが鎮守の森なので、
風が若干避けられるます。ということで、ここで昼食としました。

桐生市へ

赤城神社

社殿

   

県道353号へ

馬頭観音

星野牧場

板橋

赤城神社から路地伝いに板橋交差点の北の道に出ます。
県道333号と353号が重なります。





その途中、畑の隅に電信柱の下に、またもや馬頭観音。









ここは、いつも赤城山へ向かう際に通る道。
すぐ左手に星野牧場。当然ながら、牛がいます。
   
上神梅へ向かい右折

赤城神社から15分。






板橋から上り続け、上神梅へ向かう道が現れます。
ここからは、県道333号で、
わたらせ渓谷の国道122号へと繋がります。
クルマで走ると、すぐのような感じでしたが、
歩くと、そこそこありました。

さあ、これから上神梅に向かい山越えです。

上神梅へ

右折

   

山道へ

赤城カントリー倶楽部入口

高泉の集落

赤城カントリー倶楽部

山道を上ること15分。






左に赤城カントリー倶楽部の入口です。









すぐ高泉の集落が見えてきます。
   
石仏

道路沿いの民家の入口に瓦屋根の祠があり、小さな石仏。
石仏
   

畑の先に

宝篋印塔

宝篋印塔

右手の冬枯れの畑の中にすくっと宝篋印塔が建っています。
田畑の隅の墓は、よく見かけますが、
宝篋印塔のみが建っているのは珍しいですね。
   
馬頭観音

左に別荘赤城ロマンドの分かれ道の場所、
竹やぶの前に石塔形状の馬頭観音。
しかし、今回は馬頭観音だらけですね。
昨年のロングウォーク飛駒は、庚申塔の道でしたが・・・

赤城ロマンドへの分岐

馬頭観音

   

赤城ロマンドの別の入口

ソーラーパネル設置中

峠へ

赤城ロマンドの入口から15分。
上ってきたここにも赤城ロマンドの入口。
ちょうど、このあたりが峠でしょうか。
ここで一休み。



東側の山斜面にソーラーパネルを設置している工事中です。
いま、あちこちでソーラーパネルを設置している場所を眼にしますが、今後売価も下がるでしょうから、それよりも自然環境を大切にしてほしいもの・・・
   
みどり市へ

道が下りになると、みどり市となります。






どんどん下ってゆきます。









東の山の麓に人家が見えてきました。渡良瀬渓谷沿いの人家です。ゴールも近い。
この辺りに来て、やっとひと安心です。

みどり市へ

道は下りに

人家が見えてきた

   
神梅小学校 神梅小学校

道もなだらかになり、人家も増えてきて、
眼の前に神梅小学校が見えてきました。
   
国道122号へ

峠から、25分くらい歩いたでしょうか。ようやく国道122号。こちらも、以前の冬のロングウォーク渡良瀬川で歩いた道。
国道122号へ
   

北上

右下に上神梅駅が

わたらせ渓谷鉄道 上神梅駅

上神梅駅へ

国道を北上し、わたらせ渓谷鉄道の上神梅駅へ向かいます。






右下に駅が見えてきて、今回のロングウォークのゴールです。

日光裏街道は、上神梅の北の深沢宿で足尾銅山街道へと合流します。

駅には、相変わらず人気がありません。
そういえば、今日は人に会うことが殆どありませんでした。
寒風が吹いていたということもあるのでしょうが、
コンビニなし、エスケープルートなし、ラスト山越えの淋しいコースでした。

松尾芭蕉が道祖神の招きで奥の細道を歩いたように、木枯し紋次郎に導かれて歩いた今回の冬のロングウォ−クも終了です。

ちなみに、管理人の開設するプランドゥ・アシストのサイトでは、「木枯し紋次郎と歩く!背を陽に向けたビジネス道」を掲載しています。メルマガも発行しておりますので、興味のある方は訪問してみてください。

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