渡良瀬川 藤岡〜利根川合流地点 - わたらせからの風 近隣の山々
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渡良瀬川踏破5 藤岡〜利根川合流地点 地図
渡良瀬川踏破シリーズ第5弾完結編 藤岡から利根川合流地点までを紹介します。(取材日:2007.12/24 水)

今回は、前回のゴールであった「藤岡大橋」のそばの藤岡町運動公園駐車場までクルマで行き、そこからスタートです。

ゴールである利根川合流地点まで歩き、最寄の新古河駅まで歩いて戻り、藤岡まで東武日光線で戻り、クルマで足利へ帰るというコースです。
距離26km、標高差13m。 距離は、道を間違えたことにより、最長となった第5回完結編でした。足のマメも最多となってしまいました。時間は、休憩を含めて、8:00〜13:30の5時間30分でした。

7:00自宅を出発。今回は歩行距離も短く、気分的に余裕がありました。ところが、実際は過去の4回を超える歩行距離と苦痛を味わうことになってしまうのですが・・・

          >> 今回歩いた渡良瀬川の地図は、こちら。



2008. 3/22追加
メルマガ「わたらせからの風」では、メルマガのみの連載「かぜの独り言」を掲載しています。今回の渡良瀬川踏破シリーズ全5回の掲載内容を各々のページに採録しましたので、もう一度、各ページの「渡良瀬川」をご覧ください。
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      【渡良瀬に生きる人々のスケッチ#5】
(08.3/26発行のメルマガ掲載の「かぜの独り言」から、採録。)

今回は、藤岡町の運動公園駐車場がスタートです。
地域の子供のサッカーの試合があるらしく、駐車場には、整理のための父兄の方が立っていました。クルマが満杯になるかを確認し、OKということで駐車。
すぐ近くでは、熱気球が2機、いまにも飛び立とうとしています。

「気球の方ですか?」と問われ、「いえ」と答えたものの、まわりには、サッカーの父兄と気球の関係者しかいない。不審者と思われるのも、まずいと思い、渡良瀬川を歩いていることを説明。その父兄にしきりに感心されたので、意気揚々と歩き出しました。

遊水地に入り、旧谷中村の東にある「新赤麻橋」を渡り、歩き続けます。

事前の地図上でのコース取りをそのようにしていたのですが、誤りでした。第2水門、越流堤が現れ、ちょっとおかしいと思いつつも、先に橋の姿が見えはじめ、それを目指して歩き続けてしまいます。

橋が近づき、その上を走るクルマも確認できるあたりで、犬を散歩させる中年のご婦人に会い、
「あの橋は三国橋ですよね?」と尋ねると、ご婦人の返事は、
「松原大橋です」
エーッ、という思い。「松原大橋」って、いったい何処。
話を聞くと、ここは野木町だという。橋を渡れば、野木駅とのこと。

さてさて、どうしたものか。電車で戻るにも、JR宇都宮線野木駅から、目標の東武日光線 新古河駅に戻るのも不案内だし・・・。
やむを得ず戻ることを決定。
そこから、「新赤麻橋」に戻るまで、1時間半のロスとなってしまいました。

今回も風の強い冬日でしたので、土手を歩くのも大変、かつ道を誤り、さんざんな一日でした。

ようやく到達した渡良瀬川起点の標柱も、その文字部分が欠落しており、たぶん、これだろうと推測する。
人気もなく寒風吹きすさぶ土手の上にひとりぽっち、と盛り上がりの欠けるゴールとなり、渡良瀬川踏破は幕を下ろしました。


藤岡町運動公園

運動公園で地元の少年のサッカーの試合があるらしく、
駐車場にはクルマと人が大勢。
すぐ近くでは、熱気球がいまにも飛び立とうとしていた。

たくさんの子供たちのいるグラウンドを突っ切り、土手を目指す。













土手上から振り返ると、
前回のゴール「藤岡大橋」が見える。
前方には、広大な渡良瀬遊水地のヨシ原が広がっています。

藤岡運動公園

土手に上る

藤岡大橋
上流越流堤石碑

逆光の越流堤

まるで滑走路のような越流提

富士山遠望

上流越流堤

北風の中、しばらく歩くと記念碑が見えます。
碑には、「上流越流堤」と記されており、前方には、巨大な滑走路のようなコンクリート舗装路が道のように続いていました。

「越流提」(えつりゅうてい)は、
遊水地などで洪水調節の目的で、堤防の一部を低くした堤防であり、越流堤の高さを超える洪水のときは、その一部分を調節池などに流し込む構造になっています。
従って、流れで壊れないよう表面をコンクリートなどで覆い、頑丈な構造となっているそうです。

そこから先は立入禁止の柵が作られていましたが、乗り越え、歩かせていただきました。
風も強く、いままで見たこともない風景の場所をひとり歩く・・・
妙な気分でした。











渡りきった土手から、
南のかなたに真っ白な富士山を遠望できました。

新赤麻橋

「新赤麻橋」に到着です。
ちょうど足尾鉱毒事件の被害地である旧谷中村の東の位置です。

事前にコースを下調べしてあり、まっすぐ行くのですが、なぜかここで橋を渡ると思いこんで渡って歩いてゆきました。
これが誤りでした。

すぐ先には、「赤麻橋」がかかっていますが、通行禁止です。

右手には、こんもりと盛り上がった、旧谷中村の役場跡が見えます。






そして左手には、筑波山がはっきりと見えました。
眼の前には、水門が見えます。

新赤麻橋

赤麻橋

筑波山遠望
第2水門

第2水門

第2水門に到着です。
しかし、予定のコースの地図には、水門はないのです。
いささか、おかしい、とこのあたりで思い始めます。
しかし、自分で決めたコースを信じ、歩き続けました。

越流提

この越流堤もコースの地図には、ありませんでした。
またまた、おかしい、とも思いつつも、柵を乗り越え、巨大な滑走路を延々と歩きます。

眼の前にアーチ型の橋が見えてきて、目標の「三国橋」と信じ、歩いていったところ、なんと、犬の散歩のご婦人に確かめると、「松原大橋」であり、これを渡ると、野木駅とのこと。
やはり計画のコースから外れていたことに気づきました。

さて、JR宇都宮線 野木駅から電車で東武日光線 新古河駅に移動し、再スタートをするか、引き戻すか、思案。
戻ることに決定。
しかし、強い寒風と時間のロスが気持ちをめげさせる。

越流提

野木町の土手
先ほど歩いた、かなたの第2水門

古河へ

「新赤麻橋」まで戻り、橋を渡り、
そこから再スタートです。
1時間半のロスです。
足も疲れてしまい、落胆した気持ちを抑えつつ、歩きはじめます。

右手に広大な谷中湖が見えてきました。
よくよく考えれば、谷中湖が見えないコースを歩いていること自体おかしかった。
やはり、事前の調査を慎重に行ない、確認しつつ、歩かなかった自分の落ち度。
さきほど歩いていった第2水門も対岸に見えます。

越流堤

またまた越流堤。
もう、この滑走路のような場所を風と戦いながら歩く元気もなく
(なんとなく、だだっぴろい場所なので、歩くのに精神的に疲れるのです)、左下に見える道へ降りました。

この道のすぐ左手を渡良瀬川が流れており、道沿いにクルマがあちらこちらに停めてあり、釣りをするひとがたくさんいました。

渡良瀬川も河口近くになり、悠々と流れています。

渡良瀬川
第1水門

東武日光線 新古河駅

三国橋

第1水門

非常に大きな第1水門に到着です。

ここは、予定通りのコースです。
水門の前の橋を渡り、土手に上がります。




すぐ右手に新古河駅の駅舎が見えます。
合流地点まで行った後は、ここまで戻って来なければなりません。






そして、眼前には、予定コースの「三国橋」

決壊口跡〜三国橋

橋近くの土手に石碑が建っています。
昭和22年のカスリーン台風で渡良瀬川が増水し、決壊した場所です。
この他にも3ヶ所あります。

管理人の地元の足利もカスリーン台風で市街地に浸水し、そのときの水位が街中の電柱に記されています。
そう考えると、渡良瀬川というと、必ずカスリーン台風が思い起こされることになるのでしょう。

決壊口跡
新三国橋

新三国橋

きれいなアーチを描く「新三国橋」は、すぐ隣りです。

東武線

土手の下を東武日光線が通っています。
今回も特急スペーシアが走り抜けてゆきました。

ゴールまでは、まだまだのようです。

東武日光線を走る特急スペーシア
北川辺町役場の排水機場跡

北川辺町役場

土手の下の北川辺町役場の横に
真っ黒な物体が記念碑のように置かれていました。

土手を下りて、確認したところ、「排水機場跡」と記されています。
この北川辺町は、利根川と渡良瀬川に挟まれた輪中となっており、
洪水の被害が多々あり、水を汲み出すためにエンジンとポンプを備えていたとのことです。
これが設置される昭和22年まで、大正から、八十数回の水害に合っていたそうです。
長い年月水害と戦い続けてきた苦労が偲ばれます。

北川辺町緊急倉庫、ヘリポート

さらに、その先には緊急倉庫とヘリポートが土手に設置されていました。

北川辺町緊急倉庫とヘリポート
鷺神社

東武日光線鉄橋

鷺神社

土手は右にカーブして、
利根川合流地点が近いようです。





土手下に「鷺神社」の鳥居も見えてきました。
右手には、東武日光線の利根川を渡る鉄橋も見えます。

渡良瀬川起点標柱

土手を右にカーブしたところに渡良瀬川起点の標柱です。
利根川合流地点に到着です。
左から流れてくる渡良瀬川と眼の前を右から左に流れる利根川が合流します。

5日間を費やした渡良瀬川踏破のフィナーレです。
しかし、寒風吹きすさぶ中、そんな感傷に浸る余裕もなく、新古河駅に向かって、疲れた足で歩を進めました。
ここから、新古河駅まで、さらに1時間弱の歩行を続けなければなりません。

ということで、あっけない、
盛り上がりに欠けた幕切れとなりました。


5回にわたり、渡良瀬川踏破をシリーズで紹介いたしました。
なかなか歩くことはないと思いますので、
みなさんの参考にはならないと思います。
しかし、歩いてみて、初めて知ることも多く、勉強になりました。

また、ひとつの”川”という自然と、
そこに暮らす”人々”との関わりも多種多様で、
長い年月、”人々”は、”川”と一緒に生きてきたのです。

そして、これからも・・・

利根川の土手と東武日光線

渡良瀬川起点標柱
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