キムラ先生
「今回から、『清掃』の話をしましょう。
『清掃』の『清』は、水を使うぞうきんがけを意味します。
一方、『掃』は、箒をかける意味です。そんなことを頭においてみてください」
タカシくん
「日本語は、すごいですね。ちゃんと言葉の意味があるんだ」
キムラ先生
「清掃には、ふたつの清掃があります。
初期清掃と保全清掃です。
前者は、わたしたちが使っている意味の清掃ですが、
後者は、機械設備の稼働率を上げたり、不良率を下げたりすることです」
コウ子ちゃん
「難しい清掃もあるんですね」
キムラ先生
「次のような初期清掃をきちんと行うと、どんどん職場が変わってゆきます。
1.部屋が明るくなる
2.照明が不要になれば、二酸化炭素削減につながる
3.隅々まで見ることで見る目が緻密になる
4.古いものが新品のようになる
5.気持ちが清々しくなる
6.極めると感動が生まれる
7.周囲の見る目が変わる
8.会社を訪れるひとが褒めてくれる
9.さらに綺麗にしたくなる
10.工場がショールームになる
こんな職場を実現することができれば、お客様も品質と結びつけて、
工場、会社自体を評価してくれるようになります。
タカシくん、どうですか?できそうですか」
タカシくん
「清掃ならば、できそうな感じがします」
キムラ先生
「次にどのような場所を清掃したらよいかです。
以下のようなところに気を配るとよいですね。
1.角の部分も直角に
2.蛍光灯のかさの上、スイッチの上、棚の上などの出っ張ったところ
3.机や本棚、棚、機械の下・裏など見えないところ
4.トイレ
5.水回り
6.電話、パソコン
7.工具箱や棚の中
8.机の側面、床は地が現れるまで汚れを落とす
9.機械の油漏れ(受けて散らないように)
10.機械・設備(ペンキで隠さない)
」
タカシくん
「当たり前の場所ですが、それがなかなかできない」
キムラ先生
「そうですね。
長い間に積み重なった汚れは、頑張らないと落ちないのですが、
その後は、簡単な清掃だけで、持続させることができるんです。
その小まめに、という考え方が、多品種少量生産、短納期、変種変量の
ものづくりに効果を発揮します。
小まめな生産活動は、在庫を減らし、短納期対応が可能になり、
在庫が減れば、キャッシュフローも改善します。
そして、きれいなところに人も集まり、
コミュニケーションも活発になり、さらには売上につながります」
コウ子ちゃん
「きれいな職場は、仕事もしやすそう・・・」
タカシくん
「清掃だけでも効果大のような感じがします。やってみようと思います」 |