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2012. 3/ 5 12.手段と目的










    

    

    


    

 

 

 

 


キムラ先生
「いままで11回にわたり、5Sについて、いろいろ話をしてきました。
 これからは、5S活動をうまくスタートし、どのように活発にし、どのように継続してゆくか、
 という観点で話してゆきます。
 以下、これから話す内容の概略です。

  ・何のために5Sを行うか(手段と目的)
  ・会社のトップから社員まで、5Sの概要を周知する
  ・会社のトップの役割・やらせやらされに陥らない(指摘ではなく、ヒントを提示)
  ・順序立てて進める(着眼大局・着手小局)
  ・ガソリン的人間の発掘(全員参加だが、全員実践は難しい)
  ・できることから、すぐやる(巧緻より拙速)
  ・間違いを許す(ただし、安全と品質は慎重に)
  ・余計なことはやらない(資料作り、採点、期限設定等)
  ・全体最適を全社に周知する
  ・眼力・意思決定力・継続力を養う
  ・目指すは、考動する集団」

コウ子ちゃん
「いままで聞いた内容もありますね。でもこうして整理してみると、
 これからやらなくてはいけないこともたくさん・・・」

キムラ先生
「現在5S活動を導入している企業もたくさんあります。
 それらの企業は、生産性向上のため、といったような狭い範囲の目標で
 進めているケースが殆どです。
 しかし、今までわたしが話してきたことは、その範疇だけではなかったはずです」

タカシくん
「そうです!
 一般的にいわれている生産性改善の5S活動とは、違いました」

キムラ先生
「5Sは、安全性や品質、生産性を向上させ、在庫を削減させ、
 そのことがキャッシュフローに影響を及ぼし、
 見える職場になると社員同士や幹部と従業員のコミュニケーションがよくなり、
 お客さまに感動を呼び起こしたり、数えきれない効果が生まれてきます」

コウ子ちゃん
「お客さまに見せられる職場ができたら、それだけで楽しくなると思います。
 そこで働くひとたちも気持ちよく働けるし・・・」

キムラ先生
「いま話したことがすべて5Sの目的となります。
 その結果、2次の目的である会社の業績が安定し、
 変化にも対応できるようになることにつながれば、社員も安全に安心して働けるようになります。
 企業の目的はいくつもありますが、まずは、そこで働く人たちが安全で安心して、
 ずっと継続して働けることが最も重要だと思っています。
 働くひとの給料は当然ながら、社会貢献や株主への還元など、
 すべてそこに働く人たちから生み出されています。
 従って、それらは、2番目、3番目の目的です」

タカシくん

「働くひとがいて初めて会社は成り立つわけですし、
 社会への還元もできるので、まずは働くひとがどのような気持ちで働けるかということですね」

キムラ先生
「そうです!
 5Sは、あることを成すための手段です。
 手段である5Sが目的になってしまうと、本来の目的に向かって進まなくなってしまいます。
 たとえば、清掃できれいにするまでは手段です。
 きれいになると、何が起こるか。気分がよくなり、お客さまも感心する。
 さらに機械や安全の点検にもなり、保全となります。
 清掃という手段でそれを目指すことが目的となります。
 職場以外の家庭でもそうですし、地域社会で多くの方が集うような場所においてもいえます。
 そこまで進んでゆくと、まちも変わってゆきます。

 約一年間、5Sについて話してきましたが、
 みなさんが行ってきた5S活動は、目的になっていないか、
 もう一度考えてみましょう」

       入口と広義の5S

 
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