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2010. 3/ 5 | 姐御 1988年。監督 鷹森立一。脚本 中島貞夫。出演 黒木瞳、松方弘樹、ビートたけし、香山美子、白都真理、寺田農。 |
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◆時が悲しみを癒す | 「忘れなっせ、 時が経てば、いつか、きっと、 忘れられんでも、悲しみだけは、 遠くへいってくれる」 |
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姐御 |
やくざの抗争の中で殺害された紺野淳一(松方弘樹)の位牌を手にした、妻である紺野愛(黒木瞳)に、その姉貴分の吉本澄江(香山美子)が慰めるセリフです。 「関の弥太っぺ」でも紹介した、つらいことは、時が解決してくれる、といった主旨のセリフです。 しかし、ここでは、ちょっとひねって、忘れることはできなくても、悲しみだけは薄れてゆくだけ、と分析しています。しかし、きっと忘れてもゆくものです。 ということで「時」というのは、すばらしいものです。 忘れてゆくことも悲しいことですが、前進するためには、それも必要です。 ビジネスで失敗することもありますが、そんな過去にひきずられることなく、(ちょっと反省することも必要ですが・・・) 常に前を見て、将来に向って、ベストの計画を立て、実行してゆくことが大切です。 まさに、何はともあれPlan Do! です。 本作は、やくざの夫を失った妻の黒木瞳がドスを片手に仇を討つ、といったストーリーです。 その殴り込みの結果として、二度刑務所に服役するシーンへと場面転換します。 黒木瞳の刑務所内のシーンというの貴重ですね。 そのことにより、本来生まれるはずのカタルシスが生まれず、中途半端なリアリズムとなっているのが残念です。 いま思うと、「極道の妻たち」シリーズの変形版といったような映画です。 根性はあるが、女らしい黒木瞳、一方男勝りの岩下志麻。やはり後者のほうが東映らしいでしょうか。 ところで「極道の妻たち」シリーズや「鬼龍院花子の生涯」といった宮尾登美子原作の作品も東映作品であり、やくざ映画の範疇にはいるのかと思いますが、本サイトに加えるのに躊躇しています。どうも肌合いが違います。 松竹の監督であった五社英雄、同じ松竹の岩下志麻の「極道の妻たち」、こちらも五社監督で、俳優座の仲代達也の「鬼龍院花子の生涯」。そんなところに違和感を感じるのでしょう。ということで、今後も、これらの作品は除外です。 しかし、ドスの似合わない黒木瞳も力演ですし、似合わなく、危なっかしい殴り込みも、また内容にピタンコ。 「二代目はクリスチャン」の志穂美悦子のドスさばきの安心して見られる、すばらしさと好対照です。どちらもよいですね。 また、共演するビートたけしの殺し屋役もはまり役です。 黒木瞳の姉貴分の香山美子は、セリフがなんと熊本弁でした。ということは、「緋牡丹博徒」のお竜さん(藤純子)ですね。作者の思い入れが感じられる役柄でした。 ちなみに脚本は、中島貞夫、カメラは、木村大作(近年、初監督作品「剣岳 点の記」が公開されました)でした。 |
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