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2008. 6/28 そして、経営戦略へ11 - 戦略策定ツール
◆ 本命の戦略策定ツール

戦略策定ツールもいろいろあります。その目的が事実や課題を客観視できるようにいろいろな工夫を凝らしている点が理解できれば、これらのツールも自由自在に操れます。
また戦略策定ツールには、大きく分けると、
ツリーマトリックスの2種類があります。ツリーで課題の構造を明らかにし、マトリックスで相関的な自社のポジションを明らかにします。 

ツリーは、たとえば自社の抱えている問題、課題をリストアップしてゆきます。それだけでは、雑然として混乱するだけですが、リストアップした後、課題の大きさ、重要性等の基準で構造化するようにします。その際、重要な点は、大きな課題から個別の小さな課題へとブレークダウンするツリーとします。思考法に、演繹と帰納といった2種類の方法がありますが、前者の演繹法を活用した
ブレークダウン型ツリーを作成します。

図の例では、まず最重要課題として、売り上げアップが挙げられています。次に、この最重要課題を実現するための課題に置き換え、リストアップします。たとえば、市場拡大を図ること、粗利アップを図ること等々。さらに、そのためには具体的に何をすればよいのか・・・、といった具合にブレークダウンして、課題、解決策を構造化してゆきます。
ブレークダウン型ツリー   PPM
一方、マトリックスは、課題の各要素のつながりや他社との関係を2次元で図示します。そうすることにより、課題や自社の位置付けを行い、自社のポジションを明確化することで、次の戦略を策定することができます。

この典型的なマトリックスを使ったツールとして、1960年代にボストン・コンサルティング・グループが開発した
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)があります。市場成長率と相対シェアを軸として、2次元のマトリックスで自社のポジションを、また円の大きさで売上高を示すものです。

PPMでは、商品を4つに区分します。「花形商品」、「金のなる木」、「問題児」、「負け犬」の4種類です。
 市場成長率が高く、シェアも高い商品は、「花形商品」であり、この場合は、現在のポジションを継続する戦略が必要となります。また、逆に市場成長率が小さく、シェアも低い商品は、「負け犬」であり、この場合は、現在のポジションから早く脱却する戦略をとることになります。

図の例では、この会社は、製品A、製品B、製品Cの3つの商品が「花形商品」、「金のなる木」、「問題児」のポジションに存在しており、この図から全体戦略と個々の製品の戦略を策定することができます。

PPMでは、製品の市場でのポジションを明確化しますが、その会社の市場でのポジションを示すためには、
SWOTを使います。
SWOTは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字をとったものであり、自社の「強み」と「弱み」、また「機会」と「脅威」の視点から整理します。自社が市場や環境、他社と比較して、何が強く、何が弱いか、またどのようなチャンスを持っているか、外敵は何か、といった項目を明確にします

 SWOT  ベンチマーキング

次は、
ベンチマーキングです。

自社と他社とを相対比較をする点において、PPMと似ていますが、PPMは、おもに製品のポジションを示し、ベンチマーキングは会社のポジションを相対化して示します。他社との会社間の比較、自社内の部門間の比較を行ない、弱い部分を発見し、それをどのように補完するかを考えます。その際、評価の基準とするのが、他社のベストプラクティスです。ベストプラクティスとは、もっとも優れた経営、実務等のことであり、それを実現するための策を考えることになります。また、逆の作用効果として自社の強みも見えてきます。

ハメルとプラハードのふたりによって、「コアコンピタンス」という概念が発案され、現在のビジネスでもよく使われています。コアコンピタンスは、他社が持っていない独自性、優位性を意味します。

言い換えるとベンチマーキングは、コアコンピタンスを明確化する分析ツールでもあります。何が、自社のコアコンピタンスなのか、また何が、将来にわたりコアコンピタンスであり続けられるか。

ベンチマーキングでは、第三者にもわかりやすい図となるので、
レーダチャートがよく使われます。
図の例では、評価項目として、研究開発、ブランド力、営業力、生産能力、品質について、自社と他社を評価し、定量化したデータで示しています。どこが強いか、どこが弱いか、一目瞭然です。

コアコンピタンスを活かした戦略コアコンピタンスを強化する戦略、これが戦略策定の基本です。

 
以上、代表的な戦略策定ツールを紹介しましたが、ほかにもたくさんのツールがあります。

実際は、ケースバイケースで使い分けるのですが、本ページで紹介したツールを、まず使いこなすことが大事です。あなたの会社の実状に会わない場合は、自分で工夫して、これらのツールの表現方法、図示方法を変えてしまえばよいのです。

では、これらの分析ツールを使って、実際に自分の会社が対象とする市場環境、自分の会社の市場でのポジションの分析を行なってみましょう。
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