岩宿遺跡近辺の山々 - わたらせからの風 みどり近辺の山々
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渡良瀬川からは、ちょっと離れますが、桐生市の隣にあるみどり市の岩宿遺跡の近くの里山である鹿田山、稲荷山、琴平山、そして岡登用水を紹介します。
ここは山というよりも、里山、丘といったほうが適しているかもしれません。家族での散歩にちょうどいい山です。2〜3時間もあれば、歩けます。

実は、昔は渡良瀬川は、大間々から、西の鹿田山と東の琴平山の間を流れていました。その後、流れを移し、現在に至っています。この地域は、渡良瀬川の旧流域の大間々扇状地にあたります。

琴平山と稲荷山は南北に並んでいます。このふたつの山の切通しの場所が岩宿遺跡です。岩宿遺跡は、納豆売りをしていた相沢忠洋さんがこの切通しで石器を発見しました。関東ローム層の赤土の中から石器が発見され、縄文時代以前にも人類が存在していたことを立証し、有名になりました。

まず鹿田山に向かいます。
国道50号の桐生の西(笠懸)鹿の交差点を右折し、北に向かい、健康センター入り口交差点を左折すると、吹上集会所に案内板が建てられています。
鹿田山という山はなく、この里山の総称です。赤城山という山がないのと同じです。

続いて、センター入り口交差点まで戻り、真っ直ぐ進み、岩宿遺跡に向かいます。琴平山と稲荷山の切通しの岩宿遺跡に出ます。ここから、歩きます。


岩宿遺跡周辺マップ

マップの下のほうに国道50号が通っており、
地図の北に稲荷山、南に琴平山。
稲荷山から、さらに北に向かって、岡登用水。

この地図には載っていませんが、北西の方角に鹿田山があります。
全体の位置関係がわかると思います。

   
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岩宿遺跡周辺マップ
吹上集会所の案内図

吹上集会所

数百m走った道路の右の山裾に集会所があり、
その前に案内板があります。
案内図で事前に鹿田山全体を頭に入れておくと便利です。

ちなみにこの山は、道返り山といいます。
筆者は未登です。登ることがあったら、紹介したいと思います。

清水新池

案内図を頼りに清水新池を目指します。
ここは、緊急防災対策で作られたため池です。
周りは整備されており、駐車場もあり、きれいです。

ここから散策スタートです。

清水新池
遊歩道

遊歩道

池の対岸に鹿田山はあります。
池を半周し、遊歩道を歩き始めます。
遊歩道には、木のチップが敷き詰められています。

電波塔

電波塔までゆき、各山々を踏破してゆきます。
雷電山、御嶽山、弥衛門山と連なっています。
しかし、山頂は明確でない藪の中を歩くことになりますので、
その下の遊歩道を歩くほうがお奨めです。
鹿田山は、これらの山の総称です。
20分くらいの散策です。

駐車場から、来た道を健康センター入り口交差点まで戻り、
そのまま直進し、岩宿遺跡を目指します。
ほんの数分の距離です。

電波塔
岩宿ドーム

相沢忠洋像

岩宿ドーム

岩宿遺跡の切通しを抜けたら、右に駐車場があります。
ここにクルマをおいて、散策スタートです。
いろいろなコースがとれますが、
稲荷山に登り、北側に下り、
カタクリ遊歩道、岡登用水の遊歩道を歩いてみます。
その後、琴平山とします。

岩宿遺跡は、昭和21年、相沢忠洋が発見しました。
駐車場から道路に向かうと、左側に岩宿ドーム、反対側の道路沿いに岩宿遺跡があります。
入り口左側に相沢忠洋さんの像が建っています。
ドームの中では、地層を断面から観察できるようになっています。
切通しの地層から石器を発見したことがわかります。
入館無料です。

岩宿遺跡

道路の反対側に岩宿遺跡があります。
通常縄文時代の遺物は、
関東ローム層の上に堆積した黒土の中からでてきます。
しかし、関東ローム層の赤土の中から遺物が発見されたことで、
縄文時代以前にも人類が存在したことが立証されました。

岩宿遺跡
稲荷山登山口

稲荷山登山口

岩宿遺跡の右に稲荷神社の登り口があります。
苔むした階段を上ってゆきます。

稲荷神社

5分も上ると稲荷神社があります。
ここが頂上です。
この社の左手の道を北側に下ってゆきます。

稲荷神社
稲荷山下山口

カタクリ遊歩道

稲荷山下山口

稲荷山を下りきると遊歩道に飛び出します。
この北斜面は春になるとカタクリが咲くそうです。
遊歩道が作られ、眺めながら散策できるようになっています。

岡登用水(おかのぼりようすい)

遊歩道を山裾に従い歩き、
南に曲がるところに小さな駐車場があります。
ここから岡登用水の遊歩道が始まります。
用水というよりもせせらぎの小川といった風情です。
もっとも昔は、田畑を潤すほどの水量を確保しなければならず、
いかにも用水という作りだったと思います。

岡登用水は、江戸時代にこの笠懸の地を治めていた幕府の代官 岡上景能(おかのぼりかげよし)の発案で、荒地だった笠懸の地のために渡良瀬川(大間々)からひいた用水です。
用水のため池が岩宿遺跡のとなりにある鹿の川沼です。
彼は足尾銅山奉行も兼ねており、この地の開発とともに足尾からの街道も整備しています。
しかし、彼は、悲劇的な最期を遂げます。
公金使用問題やため池の漏水問題で失脚し、江戸で切腹することになるのです。
真実は、幕府内の政争に巻き込まれたといわれています。

岡登用水遊歩道
水車小屋

水車小屋

用水の遊歩道を北へ向かって歩いてゆくと、
休憩用のあずまや、そして水車小屋があり、ベンチもあり、
休めるようになっています。

トンネル

遊歩道は、交差点でいったん途切れます。

交差点を渡ると、
いままでの遊歩道は道路と同じ高さで並んでいましたが、
ここからは、道路より低い位置を流れています。

前方に道路横切るために下をくぐるトンネルが見えます。
これをくぐって遊歩道は続きます。

トンネルに入る
橋の下をくぐる

橋の下

さらに道路を横切る橋の下をくぐります。

三俣分水

前方に何やら取水口のようなものが見えてきます。
ここが三俣分水です。
渡良瀬川(大間々)から引いてきた用水は、
ここで南と西に振り分けられます。
南は阿佐見の方向の「阿佐見分水」、西は琴平山のとなりの鹿の川沼で貯水され藪塚町から新田町の方向の「鹿分水」へと。
カタクリ遊歩道から、ここまで20分くらいの散策です。

写真は、現在の三俣分水と昔の分水の復元です。

次の琴平山へ登るために、用水をカタクリ遊歩道まで戻ります。

稲荷山腹を南に向かうカタクリ遊歩道を歩きますが、
途中で行き止まりになりますので、
普通の道路に出て、岩宿遺跡のスタート地点の駐車場へ戻ります。

三俣分水

三俣分水復元
琴平山登山口

琴平山登山口

琴平山の登山口は、駐車場のトイレの右にあり、
岩宿ドームの上に上ってゆきます。

登山道

緩やかな山道です。
琴平山の山頂は、山道の途中です。
三角点があります。
山頂から下り、展望台へ登り返します。

登山道

展望台

展望台

山から飛び出した崖に展望台が作られています。
登山口から10分。

大間々扇状地、国道50号を見下ろせます。
逆に国道50号を走って、前橋方面に向かうと、
岩宿跨線橋を越えた先の切通しところの崖に、
この展望台を確認することできます。

展望

展望台からは、真下に国道50号。
前方に桐生の独立峰である茶臼山、八王子山が見えます。

展望
岡上景能墓

岡上景能の墓

展望台からは、西に下る道を下ってもよいですし、
来た道を戻り、途中の分岐を西に下ってもよいです。
今回は、途中まで戻って分岐から下ってみます。
配水池と桜の植林地の間を抜け、道路に出ます。

ここから左にある国端寺にある、
岡登用水を作った岡上景能の墓を見にゆきます。

鹿の川沼

墓を見学した後は、来た道を下山口まで戻り、
そのまま北に向かいます。
数分で鹿の川沼の土手が見えてきます。
沼の周りは遊歩道になっています。

鹿の川沼
稲荷山展望

稲荷山展望

土手からは、いままで登ってきた山々が望めます。
ドーム型の岩宿文化資料館の後ろが稲荷山です。

琴平山展望

ボート乗り場の先に琴平山。

琴平山展望
岩宿文化資料館

岩宿文化資料館

岩宿の時代、縄文時代以前の資料を展示しています。
    入館料¥300

古代ハス池

資料館の前は、気持ちのよい芝生になっています。
芝生の片隅、沼のほとりにさまざまな種類のハスを見ることができるハス池があります。


写真は、上から大賀ハス、中国ハス、金蓮、コウホネです。

大賀ハス

中国ハス

金蓮

コウホネ
岡上景能像

岡上景能銅像

資料館から道路の向かいに岡上景能の銅像が建てられています。

また、資料館のとなりに「カタクリの湯」という温泉施設がありますので、汗を流してもよいでしょう。

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