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2013.10/ 5 19.間違いを許せる職場づくり





    

 





    

 


    






    

 

 

 

 


キムラ先生
「前回は、"巧遅より拙速"という話でしたが、
 今回はさらに一歩進めて、できないと思ったものでも、
 "ダメ元"の精神で挑戦してみることをすすめます。

 やってみて、不足があったり間違いがあったりしたら、
 次は足したり、逆のことをやったりすれば、成功への足掛かりとなります。
 また、やってみることにより、次の一手が見えてきます。
 これが5Sの醍醐味にもなります」

タカシくん
「そうです。まずは、やってみなくては・・・それが大事なんですね」

キムラ先生
「戦後の学校教育、会社教育の中で、わたしたちには減点主義のシステムが身についてきて
 しまっています。上司は、さらに上司の眼を気にし、部下のミスを叩きます。
 これでは、現場の人たちが委縮しないはずがありません。

 間違いを許せる風土づくりができれば、現状では考えられないほど改善が進んでゆきます。
 そして、その間違いをオープンにします。そういうことの積み重ねによって、
 悪いことを隠さない職場ができます。ほとんどの場合、必死になって間違わないように
 努力しているのに間違うこともあります。また、難しいことに挑戦する場合、
 難しければ難しいほど間違う可能性が高くなります。
 従って、間違いを責めると難しいことには誰も挑戦しなくなり、
 結果として企業力が弱くなります」

コウ子ちゃん
「間違うことは誰にでもあること。
 それを防ぐ手立てを企業は講じなければならないと思います」

キムラ先生
「そうですね、フェールセーフといった考え方が大切ですね。
 先の原発の問題でも、そういった対策が講じられていたはずなのですが・・・
 人知を超えたフェ−ルだったのでしょうか。
 ところで、ふたりはイレクターを知っていますね」

タカシくん
「4mのパイプで、自由な長さに切って、
 たくさんの種類のジョイント(パイプに付ける角の黒い継手部品)で組み立てたものです」

キムラ先生
「そうです。
 これは、一度作ったものでも、さらに良くしたいという場合には、ばらしたり、追加したり、
 一部をカットしたりして、結果的にイメージしたものに作り上げてゆくことが
 できる優れものです。

 しかも使用目的が変わった時には、ばらして使いやすいものに作り変えたり、
 作業台、一人屋台、コンベアー、台車、部品シューター、工具置場、掲示版など、
 ありとあらゆるものを作れます。耐荷重も見た目よりはるかに強度があります。
 しかも、簡単に装着できる台車をつけることによって、作業場全体がフレキシブルになります。
 イレクターは、間違いながらも試行錯誤できるので、改善力を養う道具として
 広く使われています」

タカシくん

「一度作ったら終わりではないんですね」

キムラ先生
「先の原発事故についても、整理で、実践して・知って・磨く"眼力"や"決断力"が
他の案件に比べれば、各段に高く求められるものだと思います。
 原発も5Sが効果的な対象となり、わからないことやわかった後の眼力や決断力などは、
 やはり"巧遅より拙速"であり、間違ったことはオープンにして、表に出して正すということが、
 よりいっそう要求されるのではないかと思います。
 そこには究極の5Sが感じられるのですが・・・どうでしょうか」

 
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