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2010. 8/5 | 関東テキヤ一家 天王寺の決斗 1970年。監督 鈴木則文。脚本 高田宏治。出演 菅原文太、山城新吾、清川虹子、土田早苗、伊吹吾郎。 |
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◆組織を支える | 「三輪会は当代まで5代、一滴の血も流さず、ここまできた一家だす。 法律やおまへん、心と心、情と情、それが女だてらの帳元をきょうまで 支えてきたんだす」 |
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関東テキヤ一家 天王寺の決斗 |
「関東テキヤ一家」シリーズは、菅原文太が新東宝から東映に移り、初めて主演を演じたシリーズです。この後、「人斬り与太」を経て、「仁義なき戦い」へと繋がってゆきます。 また、監督の鈴木則文とは、後年「トラック野郎」シリーズで再びコンビを組むことになります。本作にも垣間見られる地域色(大阪四天王寺、飛騨高山)とマドンナの存在(土田早苗、武原英子)にその萌芽が感じられます。 本セリフは、大阪天王寺のテキヤの帳元である三輪会のお六(清川虹子)が寄合の席上で集まった親分方に放つセリフです。 その席上、テキヤ衆の長屋を取り壊し、トルコ風呂のビルを建てようとする黒金(小池朝雄)の悪事を暴きます。しかし、そのために、夜桜の咲く帰り道で殺されてしまいます。 社会、世の中は、法律のもとに動いているように誤解されますが、実は人と人との関わりをもとに動いています。 人と人とのよい関係を築くには、心と心を通いあわしている場合、人情と人情で結ばれている場合・・・あまりにもドライに、損得勘定のみで動いてしまうと、人の社会から足を踏み外してしまうことになります。 本作では、ほかにも気になるセリフがありました。 主人公の国分勝(菅原文太)に恋心を寄せるお六の娘夏子(土田早苗)が飛騨高山まで、彼を追ってゆき、打ち明けるシーンのセリフです。 「自分の人生は、自分の手で選びたい。 それやったら、うちはどんな苦労も平気だす。 どうせ稼業人の子やもん。 どんな吹きっさらしの中へでも喜んでついてゆきます。 それが女の幸せ。うちの、うちの幸せなんよ。 国分はん、一緒に来い、云うて・・・」 後年の「トラック野郎」シリーズでは、こんなことを云っては貰えません。 常に彼がマドンナに惚れるという一方通行。この頃は、二枚目の役柄です。 本作は、ヒロインである夏子(土田早苗)、盲目のテキヤの小夜子(武原英子)と異色キャストです。 |
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