キムラ先生
「明けましておめでとうございます。今年も一年、一緒に５Ｓの学習をしましょう。
　いままで５Sの解説をしてきましたが、その中でいろいろな言葉が使われていましたね。
　それらをおさらいしてみましょう。２０項目ほどあります。

　 1.巧緻より拙速
　　思いついたものはすぐやってみる、ということです。５Sの本質を表しています。
　 2.ダメ元
　　悩むより、とにかくやってみましょう。
　 3.横展開
　　「良いものがあったら、真似してほかにもどんどん活用しましょう」ということです。
　 4.小は大を兼ねる
　　「大は、小を兼ねる」の反対です。ごみ箱も小さく、台車も作業台も工場さえも小さく、です。
　　そして、ロットも小さく・・・多品種・短納期生産には、小さく小さくは欠かせません。
　 5.窓際・壁際すっきり
　　人はとかく壁際にモノを押し込みたがります。
　　壁際はすっきりと、窓際は窓を隠さない、壁際を通路にした「田の字」工場が理想です。
　 6.ひざ上・肩から下
　　IE(Industrial Engineering)で難しく説明するのを、「ひざから上・肩から下」というように
　　表現して取りやすさを表せば、誰にでも分かります。
　　５Sが誰にでも親しみやすいことが、これだけでも理解できます。
　 7.直角平行
　　整列で何度も説明しましたね。通路線に平行直角に、そして垂直・・・。
　 8.原因系の仕事と自標・結果系の仕事
　　仕事には手を下してやる仕事と、その結果得られる仕事があります。
　　それを間違えるとムダな時間ばかり費やします。
　 9.床にモノが落ちていたら異常と思え
　　点検清掃を知るよい言葉であり、現象です。目で見て分かる５Sの真髄ですね。
　10.汚い所には人は平気でモノを捨てる
　　きれいな所から美しいモノが生まれる。書き表してみると、本当にその通りですね。
　11.初期清掃・点検清掃・保全清掃
　　清掃にもこのようなレベルがあることを知っていると、５Sにも仕事にも深みがでます。
　12.多品種少量・短納期・変種変量生産
　　今の日本の社事はこれが眼の前で繰り広げられています。それを直視しましょう。
　13.整理とは
　　(1)眼力と意思決定力を養うこと
　　(2)変化そのもの
　　清掃とは　持続力を養うこと
　　整頓とは　創意工夫力
　　整理・清掃・整頓のこの意味づけは、もう一度第１回の連載から読み直してください。
　14.３現主義
　　現場・現物・現実のこと。３現主義だと整理・清掃・整頓の順序になります。
　　他の事象も３現主義で詰めてみてください。
　15.３定
　　定品・定置・定量のことで、整頓の基本を表しています。
　16.顔が見えることはコミュニケーシヨンの元
　　高さ制限の理想は、１２０ｃｍ以下。"見える"職場は、いろいろなことが良くなります。
　　高さ制限を徹底すると顔が見えるようになり、コミュニケーションが良くなり、
　　在庫も減ってきます。
　17.見える化
　　５Sを進めると、整理だけをやっていても、だんだんと「見える化」が進みます。
　　意図的に16.のようなことを行うと、さらに見えるようになってきます。
　18.固有技術とマネジメント
　　企業の拠り所は、固有技術です。５S＝マネジメントは、固有技術を活かします。
　19.工場がショウルーム
　　５Sは、固定費と直材費と売上で損益分岐点を下げます。
　　工場をショウルーム化すれば、それが常業の強い味方になります。
　20.５Sはカイゼン・改革なり
　　５Sをカイゼン・改革と切り離して考えている人がほとんどです。
　　探し物をすることがなくなったり、在庫が見えるようになって減らせたり、
　　工場がショウルームになったり、５Sはカイゼンそのものなのです。
　　そして、意識改革にまで及び、真の改革につながるのも夢ではありません。

　このような言葉が使われていましたね」

タカシくん
「こうやって整理してみると、わかりやすい。
　それとこの中のひとつでも実践することで、その積み重ねで会社も変わってゆくのでしょうね」

コウ子ちゃん
「でも、たくさんあるから、忘れてしまうかも・・・紙に書いて貼っておこうかな」

キムラ先生
「ハウツー物で手っ取り早く結果を求めるのではなく、
　自分で小さなことでも吟味しながら進める５Sは、きっとみんなの血となり肉となるものと思います。

　それでは、これから新年会をしましょうか」

タカシくん、コウ子ちゃん
「はーい、賛成」