わたらせメディア紀行(足尾)
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わたらせメディア紀行 足尾

本ページ「わたらせメディア紀行」では、渡良瀬川流域の地域を題材にした文学(小説、紀行他)、映画テレビドラマ、そして地域でロケを行った映画テレビドラマ、さらに最新のロケ情報等を紹介してゆきます。
なお、管理人の知らない情報をお持ちの方は、お手数ですが、「ご意見」のページから、情報をいただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。

分類 ★:ロケ情報 ●:映画 ■:テレビドラマ ◆:文学


●映画「海街diary」
2016.4/15掲載New
●映画「海街diary」(2015)
ロケ地:わたらせ渓谷鐵道 足尾駅、庚申ダム付近の山道
映画 海街diary
足尾駅は、父の葬儀のために向かった山形県の河鹿沢温泉駅。長澤まさみ、夏帆が電車(わたらせ渓谷鉄道)で訪れ、広瀬すずに会う駅のシーン。三人姉妹が広瀬すずと分かれる駅のシーン。
小滝に向かう道沿いにある庚申ダム付近の山道は、河鹿沢温泉駅から家に向かうまでの通り道のシーン。







  足尾駅   山道
■テレビドラマ
 「白州次郎」
エキストラ体験記
(足尾)

2009.1/1掲載
■テレビドラマ 「白州次郎」ロケ体験記(足尾)

2008年夏、TVドラマ「
恋空」のロケが桐生を中心に行われ、管理人も笠懸図書館のロケに参加する予定でした。

ところが、パソコンの集合案内メールを見損ねて、パス。
そのリベンジというわけでもないのですが、2009年新春のNHKテレビドラマ「
白州次郎」の足尾ロケにエキストラとして参加してきました。

このドラマは、激動の昭和の時代を駆け抜けた伝説の男 白洲次郎の生涯を初めて描いた作品です。

白洲次郎は、英国仕込みの紳士道をプリンシプルと呼び、日本で初めてジーンズを履き、近年「日本一カッコいい男」と呼ばれ、注目を浴びている真のリベラリストと呼ばれています。
戦前は近衛文麿首相のブレーン、戦後は吉田茂首相の側近となって政治の中枢にいましたが、昭和史の鍵を握る人物であるにも関わらず、その生涯は歴史の闇の中に埋もれていました。

彼の生き方は、骨太なダンディズムがあり、「生き方の指針」として、現代にも十分に通じるでしょう。
己の良心のみを信じ、輝かしい未来を夢見て、「敗戦」「占領」から「独立」へ激動の昭和史を生き抜いた生涯を描きます。

主演は、伊勢谷友介、中谷美紀。

さて、ロケは、10月中旬から桐生で、そして10月21日(火)に足尾で行われるということで、早朝5:30に足利を発ち、足尾駅に7:30に集合。集合場所の足尾駅
通常1時間半で行けるのだが、余裕をもって出発。

出発する時刻は、夜も明け切らなかったのですが、足尾に着くころには、もう空気も澄み切った朝の気配。
ふと、昨年末の渡良瀬川踏破を想起しました。やはり、早朝、足尾の街中を歩いていました。
あれから1年、早いものです・・・

さて、集合の足尾駅の駅舎内。ひとりの男性が待っていました。伺うと、筆者と同じ足利のひと。やがて、女性も集まってきました。高崎のひと、宇都宮のひと・・・。みんな、結構遠くから集まってきます。
ごくろうさまです。男性、女性、各々十人弱。

掛水倶楽部。この南側がロケ地。足尾駅前の掛水倶楽部の事務所が衣装部屋となっており、そこで着替えとメーク。
予想通りの戦中の装い。男性は国民服、女性はもんぺ姿。さらに、顔には汚れのドーラン。
昨年の映画「
隠し砦の三悪人」のエキストラに続いて、汚い役!

筆者は、唯一警護団の役を割り当てられ、他のエキストラと違う服装。
エキストラの主役だ、なんて、勝手に思い込む。
これが実は、逆の効果を及ぼすことになるとは露知らず・・・

駅構内に停まっているロケバスで待つこと小1時間。ようやくロケ地へ向かいます。

掛水倶楽部の横にある、役員社宅から国道122号へ延びている砂利道がロケ地です。

当時の姿のトラックもすでに用意されていました。  
社宅では、小道具さんが、物干し竿に洗濯もの、窓ガラスには白いテープを襷かけに貼り、スモークを焚く準備中。
     ロケ地の砂利道とトラック。向こうに見えるのが、国道122号。  役員社宅。物干しが用意されている。
主役の白州次郎役の伊勢谷友介と吉田茂役の原田芳雄が現れ、ロケ開始。
われわれは、通行人の役。太平洋戦争も末期の昭和20年5月の東京大空襲後の時代・背景設定です。
もう戦争もうんざり、といった面持ちで歩くように、助監督から指示が出ました。

次郎と吉田茂が、トラックに乗って現れ、降りて、木陰のベンチで握り飯を食べながら会話するシーン。

同じシーンをカメラアングルを変えて撮ります。
従って、エキストラも同じ動きを複数の撮影で繰り返すことになります。カメラも複数台あるのだから、同時に撮るべき。
多数のエキストラが通行する場面で同じ動きはとれないよ。さすが、TVドラマ、映画とは違う。違った動きになってもおかまいなし。

昼の12時も過ぎたのだが、俳優がアップしてからもロケは続く。
エキストラは背負っていた水筒や鉄カブトといった荷物を外して、なんと今度は戦後の街中のシーン撮影。
やはり手抜きの撮影。さすが、TVドラマ。

そこで問題発生!
戦時中は警護団の役は、服装も異なり目立っていてよかったのだが、戦後のシーンとなって、その服装がもて余し気味となってしまったらしい。
しかし、助監督はエキストラにも出演する機会を設けるよう配慮してくれる。これは、映画の場合でも同じで、結構やさしい助監督が多い。
筆者の知る限りでは・・・

そんなわけで、散髪用の前掛け衣装が隠れる、街頭の床屋の客の役をあてがわれたのだが、映像的に合わないということでNG。
というわけで、警護団の特異な服装が災いすることになってしまいました。

ロケ終了予定は4時でしたが、2時間も早い2時に、本日のロケ終了。
俳優の芝居用に用意した握り飯がたくさん残っており、それをほおばり、遅い昼食のロケ弁と記念品を受け取り、解散となりました。
ちなみに記念品は、目覚まし時計と携帯マグカップでした。NHKからの参加記念品。目覚まし時計と携帯マグカップ。

今回も、おもしろい経験ができました。
エキストラは、1日やったらやめられない・・・。

しかし、残念なことに中谷美紀に会えませんでした。残念!

本ドラマの放送は、2009年3月8日(土)でした。

◆文学
「鉱毒哀歌」
「壷中の天地を求めて」
(足尾)

2008.11/15掲載
鉱毒哀歌」(大八賀道生)

足尾の鉱毒事件を題材にした小説です。
残念ながら、架空の被害地 村上村を設定し、話を作り、クライマックスとして、川俣事件を扱っています。
足尾の鉱毒事件に関する小説等を読もうとする読者は、真実を知りたいわけ
ですので、架空の舞台設定により、迫力と興味を殺がれた結果となっています。

壷中の天地を求めて」(三浦佐久子)
足尾で陶芸を始め、地域発展に貢献しようとする人たちの姿を描いています。
直接に足尾の鉱毒の被害を書いているわけではなく、足尾鉱山がなくなった後、
地域の発展のために試行錯誤で足尾の陶芸を始めた人たちの労苦を
ノンフィクションで描くことで、足尾鉱毒事件の正面からの観点ではないの
ですが、逆に足尾の鉱毒事件の恐さ、重さを描けています。
後半の章、「老人の町」、「侘しい旅籠」、「美しき山河ある限り」で当時(1988年)の足尾の様子を垣間見ることもでき、それから20年経っている今、さらにどのように変貌しているか、興味が湧きます。

◆文学
立松和平の
足尾関連作品
(足尾)

2008.10/ 4掲載
栃木県出身の小説家 立松和平の足尾関連作品を2作品紹介します。

●「
毒―風聞 田中正造
足尾銅山の鉱毒によって破壊された、渡良瀬川下流の谷中村。
その被害に真正面に対峙した田中正造。渡良瀬川に棲むナマズやカエル等、小動物の目を通して重層的に描く〈闇〉の立松文学。
毒
●「
恩寵の谷
古河鉱業の誘いに導かれて兵庫県生野銀山からやって来た、坑夫取立免状を得たばかりの三人の若い坑夫。彼らは地中に宝を掘り当てるべく懸命に掘り進み、遂に無尽蔵の銅の鉱脈を発見する。日本一の銅山として世界に名を轟かす足尾。だがやがて、鉱毒は野に満ち、彼らの肺は粉塵に侵されて行く…。
著者の曾祖父が生きた明治期足尾銅山の歴史、地中に夢を託した若い坑夫の生き方を描く畢生の大作。
恩寵の谷

◆文学
「足尾山塊の山」
(足尾)

2008. 7/26掲載
足尾山塊の山」(岡田敏夫)

足尾の山々を登山コースを含め、詳しく紹介している本ですが、昭和63年出版ですので、記載されている登山コースも世の移り変わりとともに変わっていることが分かります。そういう意味で貴重です。

袈裟丸山は、弓の手尾根から登り、小法師尾根を下り、原向に下るコースが載っています。いまは歩く人もいないでしょう。地図をみると、小法師尾根 巣上山の東側に草刈スキー場跡というのが載っています。足尾にスキー場があったのです。今、読んでみると、いろいろな発見があり、民族学的な観点で興味深いものがあります。

また、日光白根山から袈裟丸山への縦走や袈裟丸山から赤城山への縦走といったコースも紹介され、現代では驚きです。

山の紹介のほか、自然や歴史、足尾の名所めぐりもあり、情報満載といった本です。

この他に「
渡良瀬源流の山」という著名な書籍もあり、手にとることができたら、紹介したいと思います。

■テレビドラマ
(足尾)

2008.1/23掲載
足尾をロケ地としたテレビドラマには、「空から降る一億の星」(2002)がありました。
今回は、このドラマのロケ地を中心に紹介します。出演は、木村拓哉、明石家さんまでした。

●足尾ロケ地一覧
足尾駅(掛水):木村拓哉が降りる駅
 足尾駅
旧足尾線(間藤-旧足尾本山間)(南橋): 彼が歩いたトンネル 
渡良瀬川の切幹橋(切幹):彼が渡たったコンクリートの橋。足尾「渡良瀬川 間藤〜神戸」でも紹介。
 切幹橋
 

渡良瀬川の砂畑橋と旧選鉱所 (砂畑)
:彼が歩いたつり橋。2008.1月現在取り壊され、新しい橋の架け替え準備中です。 
砂畑橋

<おまけ> 足尾ではありませんが・・・
 
赤城山小沼、大沼赤城神社の啄木鳥橋:木村拓哉が佇む湖と橋

映画では、本サイトの足尾の紹介ページでも触れていますが、小林正樹監督の映画「
人間の条件」(1959)(出演:仲代達矢)が足尾をロケ地として使っています。松木沢渓谷で満州のシーンを撮っています。管理人がこの映画を観たときの記憶でも、確かにそんな感じでした。
映画のラストシーンは、
奥日光の戦場ヶ原とのことですが、残念なことに、管理人は気がつきませんでした。

その他、森繁久弥・三木のり平の「各駅停車」(1965)、松坂慶子・渥美清の「友情」(1995)、原田美枝子の「愛を乞う人」(1999)などの作品も足尾で撮影されました。

最近、阪本順治監督・脚本の映画「この世の外へ クラブ進駐軍」も主演の萩原聖人やオダギリジョー等で足尾銅山社宅が使われています。

◆文学
足尾文学散歩
(足尾)

2007.10/17掲載
 今回は、足尾に関する文学関連の紹介です。

滝沢馬琴南総里見八犬伝
まずは、山は、これ!
庚申山
この山は、滝沢馬琴の「
南総里見八犬伝」に登場します。山中に住みつき悪行を重ねる怪猫を八犬士のひとりである犬飼現八が退治するというものです。残念ながら、馬琴は足尾を実際は訪れずに書いたとのこと。

また明治に書かれた「
日本名勝地志」には、庚申山は、「山中奇岩怪石畳峙して仏像の如きものあり鳥獣の如きものあり・・・」と紹介されています。

数々の文豪-
夏目漱石芥川龍之介、山本有三
次は、銅山関連ですが、夏目漱石が足尾銅山の坑夫からの話を参考に書いた「
坑夫」があります。こちらも実際には訪れていないようです。

芥川龍之介の「
日光小品」は、足尾を訪れた印象をまとめています。当時の関東地方の修学旅行は、名勝日光から産業都市足尾というコースがあり、龍之介も中学時代に修学旅行で訪れています。日光から、阿世潟峠経由で松木に下っています。足尾では、龍蔵寺を参詣し、古河橋を渡り、精錬所を見学しています。

栃木出身の山本有三の戯曲「
」。有三は、実際に銅山を訪れて書いています。また館林出身の田山花袋は、「探勝日記」、「一日の行楽」、そして小説の「廃駅」で足尾に触れています。彼も芥川龍之介と同じ経路で日光から足尾に入って、龍蔵寺で一泊しています。

その他、紀行文は
 青森の奥入瀬渓谷の紀行文で有名な大町桂月は、「
関東の山水」の中で細尾峠庚申山の紅葉を絶賛しています。彼は足尾へは、日光、松木ルート、沼田の根利山ルート、大間々からのルート四方からのルートで訪れ、詳しく紹介しています。

最後に「
日本百名山」で有名な深田久弥は、庚申山の奥の皇海山を選出しています。

このように見てくると、昔は日光から足尾へ入るルートが一般的だったようですね。きっと、今は昔日の面影は見られないのでしょう。残念なのは、最近の小説等では、ほとんど登場することがありません。今だからこそ、公害の原点である足尾を再認識したいものです。忘れ去るのでは、なく!
                           参考)小野崎悟敏著「足尾銅山物語」

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