飛駒を歩く1 総合運動場〜須花坂 - わたらせからの風 近隣の山々
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飛駒を歩く1 総合運動場〜須花坂 地図

佐野市の旧田沼町は、北へ連なる山間に、古えの風情をのこしています。平家物語に登場する名馬「生食(いけづき)」、「磨墨(するすみ)」の産地と伝わるように、かつては馬の産地であり、競馬場などもありました。そして紙漉きも行われていました。

筆者も高校時代に部活動で、夏の真っ盛りに未舗装の須花峠を、現在の大正トンネルを通り、飛駒に入り、飛駒小学校に合宿し、この地域を自転車で巡り、馬について調べたことがあります。
あれから40年。久しぶりに歩きます。といってもあまり当時の記憶はないのですが・・・

今回のウォークでは、田沼庁舎のそば 愛宕山の下にある総合運動場から根古屋森林公園までを歩きます。
第1回は、総合運動場から須花坂までを歩きます。
距離 12.1km、所要時間 3.1時間(取材日:2014. 1/ 4 土)

自宅の足利から須花峠を越え、今回のゴールとなる須花坂憩い館の路肩に自転車をデポし、スタート地点の総合運動場までクルマで行きます。
  飛駒を歩く1 田沼総合運動場〜須花坂 飛駒を歩く2 須花坂〜根古屋森林公園 閑馬を歩く 梅園を歩く
マップ 飛駒1

田沼町総合運動場

ここは、テニスコートや野球場があり、
今朝も地元の人たちがたくさんいました。
広い駐車場にクルマを停め、準備をします。




駐車場のすぐ下の愛宕神社にお参りし、スタートします。

田沼町総合運動場

愛宕神社

道路を右折して

田沼庁舎

田沼庁舎

道を南下し、新しい広い道路を右折し、
まっすぐで田沼庁舎です。10分くらいでしょうか。





庁舎前の道を左折し。さらに電器店で右折すると、
県道66号 桐生飛駒線です。
さあ、ここからまっすぐ飛駒へ向かいます。
といっても今回は、その手前まですが・・・

岩崎バイパス、三床山

このあたりは、新しく造成された地域で、
作原へ向かう岩崎バイパスが2013年末に完成し、
北へ向かっています。




その道路の左には、三床山が見えます。

岩崎バイパス

三床山

羽室橋

朱鳥居

青面金剛像等

羽室橋

旗川を羽室橋で渡ります。川の水が全くなく、水無川です。






民家もなく、田園風景が拡がる道路の傍に
高さ2mくらいの朱の鳥居、その後ろには小さな石祠。
寒々とした風景の中、朱色が際立っています。







その先の民家のトタン塀のそばに
青面金剛像を始めとした石仏が10基ほど。

これから飛駒に向かい、
きっと庚申塔等、多く現れてくることを予感。

浅間神社、庚申塔群

道路左のコンクリートで一段高くなった場所に
朱の鳥居と一般的な形状の祠。
浅間神社でした。




鳥居の前に高さ1mほどの大きな自然石の道祖神。









さらに数分の右手民家の脇に、
またまた1.5mほどの大きな自然石の庚申塔。

浅間神社

庚申塔

庚申塔

戸奈良庚申山

戸奈良庚申山

戸奈良地区に入り、民家もちらほら。
右手の戸奈良小学校の背後に戸奈良庚申山が見えます。

鹿島神社入口

民家が増えてきて、
道路左手に「稲荷明神のイヌガヤ」と
「三床山」の案内が立っています。




その隣にも高さ1mほどの庚申塔。
自然石の庚申塔のオンパレードです。

稲荷明神のイヌガヤ、三床山の入口

庚申塔

鹿島神社の石灯篭

鹿島神社

鹿島神社

三床山登山口へ向かう狭い道の入口には、大きな石灯篭。
鹿島神社のものです。





道路から、境内の朱い灯篭群も見えます。
本殿の横には、正月4日のこの日、お焚きあげの札がありました。その脇の縁台でしばし休憩です。

庚申塔、道祖神、馬頭観音

鹿島神社を出発し、山形地区の山裾へ向かう途中、
民家のブロック塀の一部が鉄格子になっており、
その中に自然石の高さ50cmほどの庚申塔がありました。
実は、文字が判読できなかったのですが、きっと庚申塔。


山が右に寄り添ってきたところ、
紙垂の下がった小さな祠と石碑がある場所に
「石造道祖神立像」の案内の標柱が立っています。
説明板を読むと、明和5年建立の双体道祖神らしい。
しかし、その場所にも、近くにも見当たらない。
標柱の下に崩れた石の欠片が転がっています。
・・・ということは、何者かによって壊された!?。
残念なことです。


山裾に沿って進むと、
竹やぶを背にし、自然石の馬頭観音。
昔は山形の地も峠になっていたのかもしれません。






さらに山裾の墓地の前の六地蔵。
その並びの手前に馬頭観音。こちらは、石碑の体をなしています。

鉄格子の庚申塔

石造道祖神立像

馬頭観音

馬頭観音、六地蔵

トレーラーバス

トレーラーバス?

山形の交差点が近づくと、
左に民家の庭先に銀色に輝くバスのようなものが・・・
TEXASのナンバープレートがついています。
クルマにひかれて使われたバスでしょうか。
朝陽に輝く銀色の車体が鮮やかです。

ソーラーパネル

右手の山腹に幅50mくらいに渡って
ソーラーパネルが設置されています。
佐野市山形太陽光発電所と書かれています。

ソーラーパネル

山形交差点

県道66号

山形交差点

左にカーブし、山形の交差点です。
突きあたりが山形小学校。





ここで県道175号線が左から合流します。
どちらかというと、こちらが合流する感じですが・・・
さあ、ここからは、まっすぐ飛駒へ向かいます。

川西橋

山形交差点から、15分ほど歩くと、
梅園へ向かう道を分け、梅園川を渡る川西橋です。
ここも水無川でした。

梅園には、仲間由紀恵、阿部寛の
映画「劇場版TRICK 霊能者バトルロイヤル」で
使われた八剣神社西光寺があります。
寄り道するには、距離がありますが・・・

羽黒神社の鳥居

羽黒神社鳥居

川西橋から5分。
右に石鳥居と朱の鳥居が並んでいる。
額を見ると、羽黒神社と書かれています。
その参道は、はるか先の山裾に向かっています。
辿ってみたいのもやまやまでしたが、
いささか距離があり、諦めてしまいました。

春高橋

さて、次は閑馬川にかかる春高橋を渡ります。
このあたりは、民家が立ち並ぶ新合地区です。

渡った橋のそばに石像が立っています。比較的新しいもの。
渡辺美智雄揮毫で「刀聖鉄火入道 栗原彦三郎昭秀像」と
記されています。
栗原彦三郎は、閑馬出身、元衆議院議員の刀工。
渡辺美智雄は、大田原市出身、副総理、蔵相、外相など歴任。
いまのみんなの党の渡辺喜美の父。






閑馬への道は右に分かれるのですが、
そこに示現神社の石柱が立っています。
示現神社までは、なかなか距離がありますね。
後ろに見えるのは、閑馬庚申山






さらに進んで行きます。
かなたに山並みを見、
足元に枯野が拡がる寒々しい真冬の風景です。
きょうは風がないだけ、ラッキーです。
以前の冬のウォークで、尾島を歩いたとき、
渡良瀬川を歩いたとき等、
向かい風で難儀したこともありました。

春高橋

刀聖鉄火入道 栗原彦三郎昭秀像

示現神社石柱

冬枯れの田園風景

青面金剛像、庚申塔、地蔵

庚申塔・青面金剛像

コンクリートの駐車場の道路に面した位置に、
庚申塔、青面金剛像、新しい地蔵菩薩が並んでいました。

正光寺へ左折

新合から、20分。
次の目的地である正光寺の案内がでています。左折です。




道端に道標があります。
道標には、
「左 大阪を経て名草北郷足利、
 
右 飛駒道 田沼佐野方面」
現在の須花峠でなく、その手前で山越えして、
足利へ出たのでしょう。



その左隣に庚申塔が並んでいます。

正光寺入口

道標

庚申塔

正光寺へ右折

七千庚申

七千庚申

正光寺へ向かい右折する角に「七千庚申塔」。
これは、7千基の庚申塔をまとめて建立したという意味で、
その数は云った者勝ちみたいなところがあり、
「百庚申」とか、「千庚申」とかあるのですが、
なんと、ここは、「七千庚申」。なんでも来いですね。

正光寺

右折し、
人もクルマも通らない冬枯れの田畑の道を8分ほど歩くと、
正光寺の参道です。2本の石柱が立っています。




緩やかに登る参道を歩いてゆくと、
生垣の中に2層の変わった形の日限地蔵堂。
上層の屋根には、しゃちほこがついています。







左に回り込むと、宝篋印塔。









そして、光明真言供養塔。
塔の中央あたりがくり抜かれて、
小さな石造の大日如来が収められています。






その横が本堂。








境内右手にある墓地の中を進みます。
墓地の後ろに盛り土があり、
小さな石祠が乗っており、天満宮の説明板がありました。





さらに墓地を回り込むと、
背後の山(正光寺城)に向かう斜面に、
佐野の唐沢城主だった佐野宗綱と家来の古い墓が並びます。
傍に立つ新しい石柱には、
「天正11年1月1日 数葉那坂合戦・・・」と記されています。
足利城主 長尾顕長を攻略しようとしたこの戦いで
彼は討死しました。
また須花峠にある鎧地蔵尊跡は、
彼をを弔うため建立されたものです。

正光寺参道

日限地蔵堂

宝篋印塔

光明真言供養塔

本堂

天満宮

佐野宗綱の墓

庚申塔

庚申塔

正光寺を出て、田んぼの中の道を北上します。
途中の辻に庚申塔が立っている場所を右折。

その角の家から、大音量の演歌のカラオケ。
確かに人もクルマもほとんど通らないので、
苦情もでないでしょうね。

彦馬浅間山

田んぼの中の道の左手に彦馬浅間山が見えてきました。
10分ほどで足利から飛駒への道、
須花坂憩い館のところに出ました。

憩い館の入口の山裾が彦馬浅間山への登山口ですが、
石造板碑型庚申塔があります。
いままで見てきた庚申塔は、
自然石に庚申塔も文字を彫り込んだものがほとんどでしたが、
これは一般的な石碑の形状で、
寛文5年建立で雌雄の鶏、三猿が彫刻されています。
珍しいですね。

旧田沼町にある庚申塔は3500基で、
その中で最も古いものと云われます。

昼食をとり損ねていたので、休業中の憩い館の軒下で。
この日は、正月4日の土曜日なのですが、休業でした。
建物内の電話がひっきりなしに鳴っていました。
営業問合せの電話だったのでしょうか。

彦馬浅間山が見えてきた

須花坂憩い館入口

石造板碑型庚申塔

宝来橋

普門供養塔

道標

道標

宝来橋を渡り、

県道66号の辻に普門品供養塔と石灯篭が並んでいます。
普門品とは、妙法蓮華経第二十五章の観世音菩薩普門品のことで、
別称を観音経です。
この石碑は、観音経を信奉する念仏講中によって
建てられたものとなります 。











さらに足利への分岐に道標があります。
「右 足利方面、左 田沼方面」
道路標識も、
「← 桐生 25km 飛駒 5km、→ 田沼 10km」
ここから飛駒の核心へ向かいます。
が、本日は、ここまで。
辻の路肩にデポした自転車をピックアップし、
戻りながら、大松寺へ寄ります。

大松寺

大松寺は、下飛駒小学校の裏手にある寺です。
自転車なのでスイスイです。
竹やぶに沿った参道があり、
廃屋の奥に本堂、十王堂が建っていました。


ここから、スタート地点の総合運動場に戻るのですが、
自転車なので、楽チンかと思いきや、
なかなかどうして疲れました。

クルマで最初に通り、続いて歩いて通り、最後に自転車で通り、
と本日3回、この道を通ったことになります。
それはさておき、田沼から、須花までの道、
やはり庚申塔が多く興趣に富んでいます。
次回、須花から、飛駒へ入り、根古屋を目指します。
楽しみですね。

 >>
飛駒を歩く2 須花坂〜根古屋森林公園 へ続く

大松寺参道

廃屋と本堂

十王堂

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